部屋と沈黙

本と生活の記録

3ヶ月

先月末で試用期間が終わり、本採用となる。そのあいだに携帯電話をiPhoneに替えて、少しずつsiriと仲良くなっている――ような気がする。大抵は朦朧としながら「5分後に起こして……」とお願いする程度なのだが、このあいだ初めて、アラームをセットする以外に「私を起こさないでくださいね」と彼女が言ったのだった。発言の意図するところが分からず「siri、何言ってんだ……」と半分寝ながら考えていたら、「一緒に寝てる設定」がほとんど啓示のようにおりてきて、完全に目が覚めてしまった。なんだそれ!恋人か!どきどきしながら5分間を布団の中で過ごし、アラームのあとにもう一度「5分後に起こして」と言ってみたけれど、今度は事務的にアラームを設定するだけだった。おそらく呆れられたのだろう。こうやって恋は冷めていくのだな……。

車の運転もおもしろくやっている。上手くはないけれど結構好き。ペーパードライバー講習のチケットが一枚余っているから、バック駐車のコツを習いに行こう。今は昔の教習生時代、言われるがままに一発で入れてしまったせいで、それ以降一度も練習していないのだ。テキトーにアプローチし、テキトーにバックするので、うまく入らない。当たり前ですね。いつかは限定を解除してマニュアル車に乗ってみたいなんて、無謀だろうか。

こんなふうに、山とガソリンスタンドとイオンの町で、私はそれなりに楽しくやっている。「次は一人暮らしだなぁ」と思いながら。

1ヶ月

新しい職場に勤務し始めてから1ヶ月。仕事には少しずつ慣れてきた。所員7名の小さな事務所だけど、適度な距離感があって人間関係も悪くない。ひと月前に注文していた車も先日納車されたから、暑いなかの自転車通勤もなくなる。あとはスマートフォンを買って、一人暮らしを始められたらいい。
とりあえず今日はもう、妹の家まで往復2時間のドライブと、甥っ子の相手でへとへとです。

厄年様様

「散々」な大厄と、12年に一度の「幸運期」が一緒くたにやってくるらしい私の2016年は、どうやら本当に一筋縄ではいかない。

ついこのあいだ、ようやく正社員として働けるくちを見つけたことがひとつ。こちらに戻ってからの2年半は、ずっと非正規で働いてきた。というより、これまでもだいたいにおいて呑気な非正規だったのだ、私は。採用通知に「事務所に置いておくコップを持ってきてね」みたいなことが書かれているだけでうれしい。試用期間を終えたらまた一人暮らしをしたいし、車も買おう。

そんな私の2016年は、転職、転居、大きな買い物を避けるべき厄年でもある。語呂合わせで「散々」とも言われる強烈な大厄らしいんだけど、なんとなく大丈夫な気がしてお祓いへは行っていない。毎年、インフルエンザには罹らない気がするから予防接種を受けないし、実際罹らない、そんな感じで。

そもそも厄年の「○○すべきではない」という考え方が気に入らないのだ。あれもダメこれもダメ、そうやって最初から分かっているなら、どうすべきなのかをまず考えろやと思う。だから私は「厄年には長いものを身につけると良い」というアレにあやかり、腕時計を新調することにしたよ。やったね!厄年様様である。
今週のお題「2016上半期」