部屋と沈黙

本と生活の記録

三倉クラウド/週報 1/13〜1/19

1/13(月)
成人の日なので、二十歳の頃につけていた日記を読み返してみる。当時は大学の2〜3回生。なんかもう小っ恥ずかしくて斜め読みしかできない。

・ 知りたい。脳が図書館だったらいいのに。
・ エイプリルフールなのに一日中家にいて、嘘をつく相手もいない。
・ 私は空白だ。
・ 夢に大倉孝二が出てきた。
・ 深夜のNHKのど自慢予選大会は、本選よりもはるかにおもしろい。大事なのは声量。
・ 魔法が使えたら、まずは壊れかけのCDラジカセを直して白に塗りなおす。

二十歳の私は、絶えずくだらないことを考え、自分自身に悩み、ほんのり恋をし、ともかく“誰か”に必要とされたがっていた。

もし、今の私が二十歳の私に声をかけるとしたら「必ずしも“誰か”に必要とされる必要はない」と言ってやりたい。自分で自分を必要とすればいい。少なくとも、今の私は過去の私を必要としている。それでいいじゃん。

少しのずれで、出会っていた人と出会わない未来もあったんだな。そう思うと、出会いには何かしらの意味があるように思えてくる。意味のない出会いはない。出会いに意味があるなら、意味のない人間なんていないことになる。私も同じだ。好かれても嫌われても、相手に何かしらの意味を残しているはずなんだ。
2005.9.18.

いるだけでいい。いるだけで意味がある。だから強く生きてくれ、世の中の新成人よ。


1/14(火)
ヒックとドラゴン 聖地への冒険』を観に行く。試写会に続き2回目。やっぱりすごく良い映画だった。傑作だと思う。第92回アカデミー賞の長編アニメ映画賞は、この作品が受賞するんじゃないかな。まあ、他のノミネート作品は観ていないから、なんの根拠もないんだけど……。
愛とアイデンティティ、犬的な可愛さ。忘れないようにまとめておきたい。


1/15(水)
職場のパソコンの入れ替えが終わり、ZAZEN BOYSアー写をデスクトップ画像とする。


1/16(木)
「意味がある」ことと「価値がある」ことは必ずしもイコールじゃない。「味がする」ことと「美味しい」ことが等しくないのと同じみたいに。だからたまに、強く生きていくのは難しい。


1/17(金)
事務所研修。前日に無理やり考えた「今年の目標」なんて、次の日には忘れている。そんなもん“しるべ”でもなんでもない。


1/18(土)
自動車の点検のためにディーラーへ行く。
犬の散歩。


1/19(日)
ガラケーからiPhoneに変更して約3年半。そろそろバッテリーの持ちが悪くなってきた。巨大化の一途を辿るiPhoneだけど、また小さいモデルを作ってほしいな。今使っているSEですら、私の手には少し大きい。

片手で扱える大きさで、それなりのスペックがあればいいやと思っていたのに、iPadとの連携のしやすさを思うと、iPhone以外の選択肢は無いに等しい。まじでシームレス。双子のような意思の疎通。アウトドア派で小回りのきく兄(iPhone SE/64GB)と、インドア派で出来の良い弟(iPad/128GB)。もう、どちらが欠けても心許ない。

……あれ、てことは、もしかすると双子の神秘ってクラウドなのかもしれないな。マナカナの意識は“三倉クラウド”によって共有され、近くにいるほど同時性が高まる(Bluetooth)、みたいな……。

知の呪い/週報 1/6〜1/12

1/6(月)
いつもは家を出る1時間20分前に起きて支度をするのに、今日はsiriに「10分後に起こして」と3回もお願いしてしまった。コーヒーも淹れずパンも焼かず、パイ状の菓子を豆乳で流し込む。
去年の私が死ぬ思いをしてくれたおかげで、仕事そのものは概ね順調だ。
お昼にひとり豚骨ラーメンを食べて、ようやく元気が出る。


1/7(火)
年末に急いで進めた懸念案件の決裁が無事に下り、思わず「……やったぜ!」と言ってしまった。「……」で息を呑み、両手でガッツポーズからの「やったぜ!」。あまりの嬉しさに全身で喜びを表現してしまい、地が出る。なんかもっとこう、可愛い感じにできなかったのか。


1/8(水)
お土産のお菓子を食べた年下の上司が「ディズニーランドの味がする!」と嬉しそうに言う。聞けば「ディズニーランド(で食べた塩キャラメルポップコーン)の味」らしいのだが、カッコの部分を端折ったためにバカっぽい。とはいえ、よく考えればこれは暗喩であり、詩である。
もしかしたら「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざにこそ、創作のためのヒントがあるのかもしれない。原因から結果にかけて、どれだけ飛躍できるか。その飛躍がおもしろさや詩になることもあれば、ただの変態になることもある。バカと天才は紙一重
まあ「ディズニーランドの味」は、紙一重でバカだと思う。


1/9(木)
バタフライのクラスで泳ぎ初め。苦節1年、ようやく20mくらいは泳げるようになってきた。水泳がそんなに得意でなくても、クロール、平泳ぎ、背泳ぎまではそれほど苦労しなかったのに、バタフライ(特に息継ぎ)はほんとに難しい……。

かっこいいなぁ。やっぱり筋肉つけないとだめか。


1/10(金)
ヒックとドラゴン』のDVDを借りて帰る。


1/11(日)
午前中に初詣へ。なんとなく一人で静かに集中したい気分だったんだけど、時期的にまだ年始の雰囲気で、境内には屋台が立ち並び、参拝客で賑わっていた。

厄年の立て看板によると今年が本厄らしく、思わず二度見してしまう。祖父母が続けて亡くなったから、ここ2年くらいはまともに初詣をしておらず、去年が前厄だったことも今日初めて知った。なんていうか、なんじゃそりゃである。知らないのはないのと同じ、知れば呪いになる。
おみくじは大吉。

最近私服勤務になったため、母と一緒に職場でも着られる洋服を探しに行く。綺麗めのジャケットとパンツを買い足すつもりが、結局はスカートとワンピース、ハーフコートを買ってしまった。

プライベートではここまでコンサバっぽい格好はしないんだけど、なんだか「丸の内のOLさん」ごっこをしているみたいで楽しい。

獺祭で晩酌。米だけど果物系、「綺麗なお酒」という印象。おつまみは「オヤツチンミ/アンチョビ&ガーリック味」。


1/12(日)
スーツ店のクーポンを持っていると言う母と、あらためてジャケットとパンツを探しに行く。……が、結局は別のお店でワンピースとかを買ってしまった。セール最高!

幸せの永久機関/週報 12/30〜1/5

12/30(月)
the band apart“ディア・ワンダラー”のMVが公開された。

川崎さんが笑ってる。笑うかどうか分かんない微妙な時期の赤ちゃん並みだと思ってた川崎さんが、人並みに笑ってる。リラックスした雰囲気がすごくいい。木暮さんがカメラ目線でこちらを指差すところもいい。ああいうことを気負わずできる人ってかっこいいと思う。


12/31(火)
下道で2時間、母方の祖母宅へ。
お酒を飲みながら、母、祖母と紅白を見る。普段テレビは録画派で、それすら見きれず消す派だから、ここぞとばかりにトレンドを仕入れる。
King Gnuのボーカルの人は、紅白でもスウェットだった。「紅白でも普段通り」か「紅白だから洒落込む」か、二通りのかっこよさがあると思うけど、個人的には洒落込む人が好き。CDJでの向井秀徳は、黒いシャツに黒いスーツでばっちり洒落込んでいたらしく、そういうところだよ!と思う。ますますかっこいい。なんかもう「風が吹けば桶屋が儲かる」レベルで、すべてが「向井秀徳はかっこいい」に行き着く。
KISSのメイクを見た祖母は、寝るときにメイクを落とすのかどうか心配していた。むしろ落とさない選択肢があんのかと思ってびっくりする。メイクをしたままぐっすり眠るKISS。

紅白のあとは恒例のジャニーズカウントダウン。去年は、ステージの隙間に落ちたマリウスを心配しているあいだに年が明け、カウントダウンどころではなかった。今年は何事もなくほっとする。おそらく、来年も見守ってしまうんだと思う。年末にマリウスを見守る会。


1/1(水)
NHKの『100分deナショナリズム』で取り上げられていた『方舟さくら丸』のラストがまさにNUMBER GIRLの“透明少女”だった……!

安部公房の作品は3、4冊程度しか読んだことがなく(砂の女箱男、他人の顔、だったかな……あとは忘れた)、本作は未読。もしかして向井さんも小説とか読むのかな。ますますかっこいい。

おまけ

ちなみに、安部公房の母親も小説を書いている。安部ヨリミ『スフィンクスは笑う』。前半は昼ドラっぽい泥沼三文小説風なのが、後半に向かって一気に文学になる感じで、けっこうおもしろい。

方舟さくら丸 (新潮文庫)

方舟さくら丸 (新潮文庫)

  • 作者:安部 公房
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1990/10/29
  • メディア: 文庫
スフィンクスは笑う (講談社文芸文庫)

スフィンクスは笑う (講談社文芸文庫)


1/2(木)
祖母宅に妹夫婦と甥っ子姪っ子がやってくる。
「〇〇くんがさ〜」「まあね!」など、今年から小学校にあがる甥っ子の喋りっぷりが可愛い。幼児だったのがすっかり“男の子”だ。


2時間かけて自宅に戻り、夜は友人宅で新年会。時期が時期だけに、私を含め3人とも独身だ。
「どんな人がタイプか」という話題を友人がリストにしてくれたんだけど、そのメモを眺めているだけで幸せな気持ちになる。……もういっそのこと、それを“誰か”に求めるんじゃなくて、自分自身がそういう人になれば幸せなんじゃないのか?たとえば、「優しく」て「誠実」で「ケンカして仲直り」ができる、そんな人に。そうすれば、自分の好きなタイプ(自分)と毎日一緒にいられることになる。……幸せの永久機関だよ、我ながら画期的だと思う。なんで今まで気付かなかったんだろう。
ただ、もし「天真爛漫で無邪気な人」を目指すとなると、その思惑自体が「邪気」にまみれてどうしようもない。


1/3(金)
自分の家がいちばん落ち着く。Wi-Fiもある。晴れて洗濯物が良く乾く。


1/4(土)
もう「いつもの土日」だ。


1/5(日)
再放送された『100分deナショナリズム』を録画。新年早々、レコーダーの録画可能時間が残り少ない。
明日から仕事かと思うと、なんとも言えない気持ちになる。働くのは嫌いじゃないから憂鬱ではないけれど、毎日が日曜日でも楽しく過ごせる才能のほうが発達してるのになと思う。ほんと、せっかくの才能を持て余してる。