部屋と沈黙

本と生活の記録

映画

映画『スパイの妻』感想

海外の賞レースで評価されたものの*1、国内ではいまいち振るわなかった(?)映画『スパイの妻』を観た。個人的には結構おもしろく観たけれど、まぁ分からんでもない。この映画に「夫婦愛」とか「ラブストーリー」を期待すると肩透かしを食う。そもそも、公…

甥っ子とおしゃべりするための『呪術廻戦』

「甥っ子を連れて呪術廻戦を観に行ってきて」と頼まれたので、一夜漬けでアニメ24話を視聴し、映画を観てきた。せっかくなので、ここに感想を記す。なお、原作は未読。私はどちらかというと流行に乗り遅れるタイプで、『鬼滅の刃』も観ていない。でも、ごく…

プライム・タイム

なんだか無性にクリス・プラットの顔が見たくなり、Amazonプライムで大々的に宣伝されている『トゥモロー・ウォー』を観てみたものの、ちょっとダンあなた聞き分けが良すぎない?何回「分かった」っつったよと笑ってしまう。ダンはごねない。身を切るような…

うれしい知らせ

金曜日のアジゴシ配信で、the band apart (naked)の新譜と、5月からのツアーが発表された。本当にうれしい。今年の4月に予定されていたフェスの延期が発表されたとき、“今”が閉じていくような感じがすごく寂しかったから。なんとなく、開催されるだろうと思…

パズーの献身

ブログ用に書き進めていた文章に引用しようと、スタジオジブリの公式サイトで『天空の城ラピュタ』の画像を見ていたところ、不意に「結婚するならパズーだろ……!」と確信する。以前、ネットの記事で「恋人にしたいジブリ男子」なるランキングを見かけたこと…

選べばいい

金曜ロードショーで観た『プラダを着た悪魔』をDVDで観直す。私はこの映画で“That’s all.”を覚えた。やはりカットされたシーンが多かったみたい。テレビ放映のために編集されたバージョンでは、ナイジェルの良さが伝わってこないもの。家族には「サッカー部…

持ち運びのできる小さな箱

恋に落ちるっていいね!ほんとにいいね!!『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』に恋のときめきを思い出させてもらえるとは予想していなかった。初対面なのにクララの帽子がずり落ちてるところなんか間が抜けてて超可愛いし、「正しくないこと」を選ん…

無用の用

何の役にも立たない、どうでもいいことを書きたい。たとえば、通勤中の車の中で、犬が犬を見ている、という状況に出くわし、思わず「犬が犬を見ている!」と一人実況した直後、その言葉の中にもやはり犬が2匹いて、その倍増しの可愛さに和む、みたいな。たと…

『ジョーカー』

ストーリーは至ってシンプルだ。世間に虐げられ続けた社会的弱者の男が、やがて凶行に至るまでが描かれる。ただし、本編は小説で言うところの「信頼できない語り手」であるアーサー(ジョーカー)の目線で語られるため、観終わった直後は戸惑いの方が大きか…

週報 10/1〜10/6

10/1(火) せっかく午後休を取ったのに、予定を1日間違えていた。仕方がないのでボーリング場にいる母のところへ行き、母のボーリング仲間のおばちゃんたちとコーヒーを飲んだ。まぬけだ。古本屋さんで武田泰淳の『富士』の単行本を100円で買えたのが唯一の…

『インヒアレント・ヴァイス』/卵はそれを避けることができない

15時、『インヒアレント・ヴァイス』を観る。常温の本麒麟が回ったのか、眠気に負けて一時停止。深刻そうな顔のホアキン・フェニックスがこちらをじっと見ている。髭の生え方が山田孝之と一緒だ。トマス・ピンチョンの原作をポール・トーマス・アンダーソン…

〈私たち〉のなかの〈私〉たち

文庫化された『英子の森』を読みながら、松田青子は新ジャンルだなぁと思う。収録作の「*写真はイメージです」や「おにいさんがこわい」は特に、言葉を使ったアートのようだ。たとえばリディア・デイヴィスの『ほとんど記憶のない女』とか、このあいだ松田…

『キングスマン:ゴールデン・サークル』を見たよ!

信号待ちで、前に停まったマツダ車のエンブレムを眺めながら「横棒を一本入れたらキングスマンだよースパイの車だよー」と思う。仕事帰りに『キングスマン:ゴールデン・サークル』を観てきた。相変わらず悪趣味である。グロテスクなシーンはB級ブラック・コ…

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』3D

終演が深夜になるため、お風呂を済ませてから火曜のレイトへ。むき出しの素顔が心許なく、蛍光灯の明るい通路をうつむいて歩いた。足元は一足250円の似非クロックス。ちょっとそこまで、ごみを出しに行くような格好で行く。前作がおもしろかっただけに「続編…

オフショットの魅力『山田孝之のカンヌ映画祭』

録りためていた『山田孝之のカンヌ映画祭』を観る。『山田孝之の東京都北区赤羽』に続くドキュメンタリードラマで、山田孝之が「カンヌ映画祭の1番のやつ」を獲りたいと言い出すところから始まるのだが、ほとんど対照的な二人ーー山田孝之と芦田愛菜の組み合…

愛すべきオカンムービー『海よりもまだ深く』

是枝裕和監督作品 軍手で作ったお人形やレース編みのドアノブカバーを愛すべきオカンアートと呼ぶならば、本作は愛すべきオカンムービーである。カルピスをコップに凍らせて超テキトーなアイスにしたり、インスタントコーヒーの中蓋をはがさずに少しだけ穴を…

世にも奇妙な物語 SMAPの特別編(2001)

「エキストラ」「13番目の客」「BLACK ROOM」「僕は旅をする」「オトナ受験」の五編。一応、キャプチャは顔が鮮明に写らないよう配慮してみた。灰色に塗りつぶすのもなんだし。 こんなふうに既存のテレビ番組で特別編が組まれたり、“SMAPとして”ドラマ(古畑…

アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生(2014)

歳を重ねることは、より〈自分自身〉に近づいていくことなのかもしれない。93歳の画家、イロナ・ロイス・スミスキンが素敵。 絵を描くことの9割は観察すること。赤いリンゴをみるだけじゃなく、どこが丸くて全体がどうなのか、何が起きているか、物語を感じ…

恐怖分子(1986)

エドワード・ヤン監督作品 印象的な素晴らしいカットが多い。小太りの警察官(クー・パオミン)に釘づけ。ストーリーはやや退屈かな。

『キングスマン』を見たよ!

バイオレンスで悪趣味、あほらしいんだけど最高にかっこいい! でも、好きだってことを知られたくない、そんな映画。たとえば気になる男の子に「好きな映画は何?」って訊ねられても、仲良くなるまでは決して言ってはいけない。『裏窓』とか『シャレード』と…

『はじまりのうた』

映画館で『はじまりのうた』を観る。前作の『ONCE ダブリンの街角で』とやってることは同じ。傷ついた人たちが寄せ集めバンドでアルバムを作る。恋にならない恋。グレタ(キーラ・ナイトレイ)の「男の子みたいな格好」が可愛い。きれいな青のノースリーブに…

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

★★★★★ スペース “コミック” オペラ 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』まとめ 1. 町山智浩「スターウォーズのあまちゃん版」 2. わりと酷い 3. ロケットの寝ぐせ 1. 町山智浩「スターウォーズのあまちゃん版」 まさに言い得て妙、他に言うこともなし。…

『ベイマックス』

http://youtu.be/8Bwy5SMETwU ★★★★☆ 痛快なストーリー展開で概ね満足 『ベイマックス』まとめ 1. エンディングで驚く 2. ヒーローの成り立ちが敵対する者と同じである 3. ベイマックスの外装がビニールなのは、血液などの汚れを落としやすくするためである(…

『劇場版 零』

『劇場版 零』が教えてくれた真実の呪い