火曜日 曇り/雨
口にしようのない苦しみ、力を奪う絶望、悪魔的に激しい憤怒、頭につねに浮かび徐々に――あたかも誰かの死を悼むかのような――一種の喪へと変わっていく悲しみの雲。
ポール・オースター『闇の中の男』より
喪失に形があるのなら、きっとこんなだろう。自分の存在価値を彼に預けきっていたせいで、彼がいなくなることは一度死ぬことと同じだった。付き合って三年が過ぎていた。
彼を心配して苦しみ、次第に腹が立った。そうして、それが「自分の心配」でもあると気付いたとき、私は自分の醜さを静かに罵り続けることしかできなかった。
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