http://youtu.be/8Bwy5SMETwU
★★★★☆ 痛快なストーリー展開で概ね満足
『ベイマックス』まとめ
1. エンディングで驚く
2. ヒーローの成り立ちが敵対する者と同じである
3. ベイマックスの外装がビニールなのは、血液などの汚れを落としやすくするためである(と思う)
1. エンディングで驚く
〈新しいヒーローの誕生!〉で終わる映画『ベイマックス』。〈ALWAYS 三丁目の夕日〉みたいなチラシのビジュアルからはとても想像できない。子ども向けのアクションムービーとして宣伝されていれば女子大生は観に行かないだろうし、うまいことやったな、と思う。私もたぶん観に行ってない。女子大生じゃないけど。
個人的には、ヒロがベイマックスを作り直すシーンまででもよかった。ロボット・ファイトのための、つまり〈壊す〉ためのロボットを作っていたヒロが、〈ケアする〉ためのロボットを作った(作り直した)ってことだけでも、少年の成長物語として充分素敵じゃないかな。ベイマックス視点からのヒロが「やあ、ベイマックス」とかなんとか言って、♪~〈エンディング〉みたいなね。
2. ヒーローの成り立ちが敵対する者と同じである
ビックヒーロー6は兄を亡くしたヒロの復讐心から生まれたと言ってもいい。ヒロと敵対する者もまた大切な人を失っており、復讐のためにすべてを奪おうとする。彼らはよく似ている。きわめて個人的な復讐心を原動力としながらも、〈ダークヒーロー〉として描かれないのはディズニーアニメだからか。
なんというか、タダシが〈死ぬため〉に作られたキャラクターに思えてならないのだ。〈物語〉のなかで死んでしまうのではなく、彼の〈死〉から〈物語〉が生まれていることにひっかかりを感じる。好みの問題だろうけど、〈死〉は〈物語〉の内側にあってほしい。
3. ベイマックスの外装がビニールなのは、血液などの汚れを落としやすくするためである(と思う)
愛らしさを表現したというベイマックスの体型だけど、職場のKさん(男性)にそっくりなので、それほど可愛くない。これはKさんのせい。でも、シロクマみたいにささやかな耳がついてたらいいなとか、もふもふだったらいいなとかにやにや考えてたとき、ベイマックスは〈ケアロボット〉だということを思い出した。対象者の状態が最悪だった場合、出血も考えられる。ビニールにしといたタダシすごい。まあ、ベイマックスに毛が生えた日にゃあ、制作スタッフが悲鳴を上げそうだし。
『ベイマックス』
監督:ドン・ホール / クリス・ウィリアムズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
配給:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ