部屋と沈黙

本と生活の記録

母の偉大さ

又吉直樹の『火花』は「難しい」とうちの母が言っていた。amazonなんかではくさすレビューが多いものの、〈難しい〉という評判は聞いたことがなかったし、私自身もとくに難しいとは思わなかった。聞くと、作中の小ネタが分からないと言う。たとえば〈カノン進行のお経〉とか〈三畳一間に詰め込まれた救世主〉とか。

なんじゃそりゃ。なんていうか〈ラッスンゴレライ〉の意味を真剣に考えてる感じ。なんですの?(マジで知りたい)みたいな。たぶん彼らのネタって意味そのものよりも動きとかリズムとかがおもしろくて子どもらにウケてるんだろうと思う。にしてもおもしろくはないけど、意味を語るのは野暮というか。

〈カノン進行のお経〉について真剣に考える母。それだけでもう〈カノン進行のお経〉を超えてる。

火花

火花