部屋と沈黙

本と生活の記録

オフショットの魅力『山田孝之のカンヌ映画祭』

録りためていた『山田孝之のカンヌ映画祭』を観る。『山田孝之東京都北区赤羽』に続くドキュメンタリードラマで、山田孝之が「カンヌ映画祭の1番のやつ」を獲りたいと言い出すところから始まるのだが、ほとんど対照的な二人ーー山田孝之芦田愛菜の組み合わせが思いのほか良くて驚いた。



スカートの『ランプトン』が流れるエンディング、なかでも3話の、一輪車に乗る愛菜ちゃんを山田孝之が遠くから眺めてるカットなんか、それだけで物語が生まれそうな予感がする。他にも、事務所のテーブルで勉強する愛菜ちゃんの後ろで山田孝之らしき人が寝そべってたりだとか、二人でかき氷を食べたりだとか、お世話したりされたり、守ったり守られたりじゃない、絶妙な年の差の感じがものすごく良い。

もちろん、本編での愛菜ちゃんの存在感も別格で、毛量的にもむさ苦しいおっさん二人のあいだに清涼感を与えてくれる。もしかしたら「天才子役」に対して失礼なのかもしれないけれど、演技をしていないときの、時折見せる素に近い「芦田愛菜」が、本当に良かった。