部屋と沈黙

本と生活の記録

一人で行く夏の野外音楽フェス

WILD BUNCH FEST.2017
2017.8.19.sat - 20.sun

8月20日、快晴。自家用車で会場を目指す。BGMはthe band apart の“Memories to Go”。渋滞するだろうから、退屈しのぎに“popeye”をのせて行く。雨の予報はない。

11時、チケットをリストバンドに交換。遠く、ステージから音楽が聞こえる。「右手を出してください」と言われ、差し出していた左手を慌てて引っ込める。“8.20.SUN WILD BUNCH FEST.2017”と刺繍された青いリボンが手首に巻かれ、プラスチックの輪っかで止められる。ゲートではリストバンドが見えるように右手を高く挙げて入場。

グッズの物販があるドーム内は長蛇の列。前日に参加した母から「売り切れ」と聞いていたものの、ミニオンとのコラボTシャツが残っていないか見にいく。当然、売り切れ。

ドームを出て、ビーチエリアへ。イベントロゴの前で写真を撮ろうと並ぶ人たち。自然発生的な美しい列を迂回し、メインステージへ向かう人の流れに沿って行くと、左手に海が見える。直島や尾道ほど注目はされないけれど、ここも「瀬戸内」だ。私が知っている海。

芝生に腰を下ろし、知らないバンドの知らない音楽をなんとなく聴いているだけで気持ちがいい。ただ天気がよくて、死ぬほど暑くて、飲んだそばから汗をかく。楽しそうに踊る若い子たち。音楽があって、たまに海風が吹く。それだけで、個人的な好みやこだわりはどこかへいってしまった。汗をかくひとつの器官。いつもあれこれ形容詞的に考えている自分が窮屈に思える。

SuchmosのボーカルYONCEは「バイブス」と本当に言っていた。地元の天気があんまりよくないから、晴れのバイブスを持って帰らせてくれよっていう、マジもんの「バイブス」。個人的に、茶化して言う冗談語かと思っていた。誤解のないように言っておくが、ライブそのものはとてもよかった。10月にはペトロールズのワンマンライブへ行く。

お昼どきの飲食ブースは混むだろうから、サンドイッチを持参。水分補給のために2回もかき氷を食べる。夕方近くに待ち時間なしで温玉しらす丼。おいしい。

会場運営についてはほぼ文句なし。ゴミ箱ブースにはスタッフが4、5人常駐して分別を呼びかけている。こまめに回収されているおかげか、ポイ捨てがほとんど見当たらない。仮設トイレはたくさん用意されているし、トイレットペーパーもちゃんとある。ただ、今年から導入されたらしい洋式の仮設トイレは狭く、使いづらかった。

フェス全体の雰囲気としては、縦ノリ系の黒っぽいステージばかりなのが惜しい。海が近いし、グランピング風のステージをつくれば、アーティストの幅も広がっておもしろいと思う。

来年もまた行きたい。一人でもなんてことない。ZAZEN BOYS向井秀徳が来たらいいのにと思う。