部屋と沈黙

本と生活の記録

週報 10/1〜10/6

10/1(火)
せっかく午後休を取ったのに、予定を1日間違えていた。仕方がないのでボーリング場にいる母のところへ行き、母のボーリング仲間のおばちゃんたちとコーヒーを飲んだ。まぬけだ。古本屋さんで武田泰淳の『富士』の単行本を100円で買えたのが唯一の収穫だろうか。装幀は司修

今日から消費税増税。お昼ごはんを買ったパン屋さんは8%、古本屋さんは10%だった。

おばちゃんからハスイモをもらう。


10/2(水)
Hちゃんに誘われて、『蜜蜂と遠雷』の試写会へ行く。原作は未読。作家の恩田陸は、この小説で直木賞本屋大賞のW受賞を果たしたという。

子どもの頃から使い続けている古びた水筒が、天才の無垢と狂気のメタファーになっているような気がした。ふつう、いい大人が子ども用の水筒を使っていたら、なんとなく気味が悪いものだ。でも、天才は頓着しない。水筒が子ども用かどうかなんて気にしないし、そんなこと考えもしない。
水筒をピアノに置き換えてみてもいい。それが自分の近くにあることに、彼らは疑問を抱かない。理由は必要ない。ただピアノがある。どこまでも純粋で、何ものも寄せつけない。
サラリーマン奏者の高島が掲げた「生活者の音楽」という言葉は美しい。それなのに、「天才たちの音楽」は、この美しい概念を容易になぎ払ってしまうのだ。

ファミレスに寄って、遅めの晩ごはん。
婚活パーティー荒らしの美人なHちゃんは、様々なパーティで人気ナンバーワンをかっさらいながら「私になびかない人が好き」などと言う。私は私に興味津々な人がいいけどなぁ。二人とも、未だ独身だ。

台風が近づいている。洗濯物は部屋干し、エアコンのドライを入れて寝る。


10/3(木)
自宅にインターネットを引いた。今日からはデータ通信量を気にせずネットも動画も見放題。ブログの更新頻度だってあがるかもしれない。

手始めにthe band apartの“DEKU NO BOY”のMVと、ギタマガがアップロードした原さんのベース・パート動画(Eric.W)を見て、SWITCHと3DSWi-Fiにつなぎ、本体の更新をした。

顔は恐ろしげだけど、やっぱり原さんのベースラインはかっこいい。18のころから聴き続けて、今度初めてライブへ行く。


10/4(金)
誕生日。去年だったか、誕生日なのに特別な予定もなく、いつもどおりジムへ行ったら、受付の女の子から不意に祝われ、すごく照れくさかったことを覚えていたので、今年は自宅で引きこもることにした。

晩酌。最近は赤ワインを飲むことが多い。ゆったりした酔いが持続する感じが気持ちいい。酔っ払いついでに個人用のツイッターアカウントを取得した。記念日になんとなくそわそわして新しいことを始めるなんて、結局は恥ずかしいことをしている。

とはいえ、改めて考えると言いたいことなど何もない。

いや、つぶやくのに「改めて考え」ちゃいけないんだ。編集されないまま漏れ出た感じが、ツイッターのいいところなんだから。えーと、「誕生日だから、自宅に引きこもって晩酌してる」「明日はジムに行こうかな」「洗濯したい」「コーヒー豆がきれそう」「歯磨き粉も少ない」「そういやむかし、“歯磨き粉”を“歯ブラシ粉”って言う先輩がいたな」……だめだ、クソつまんねえやつと思われてしまう。


10/5(土)
会員登録をしているウェブショップのメールとパスワードを片っ端から再設定していたら、あるショップの秘密の質問「初デートの場所は?」に答えることができなかった。過去の私は、いつまでも忘れない特別な記憶としてその質問を設定したはずなのに、まるで他人のことのように思える。パスワードそのものは別の方法で再設定できたからよかったものの、自分が自分でなくなるような、おもしろくて恐ろしい感覚だった。


10/6(日)
NUMBER GIRLのツアー『逆噴射バンド』のオフィシャルHP先行に申し込む。今度こそ当選してほしい。

NUMBER GIRLが解散した年、私はいなかの高校生だった。