部屋と沈黙

本と生活の記録

PETROLZ “3 Code” 感想

2019.9.28 sat
広島CLUB QUATTRO

蒸し暑い朝だ。こだまに乗って、広島まで行く。今日は2年ぶりのペトロールズのライブ。今でこそネット上に様々な音楽があふれているけれど、「場」や「ライブ」を体感することは他に代え難い。

ライブ前に、路面電車で中電前へ。大人運賃180円。マップアプリのGPSを頼りに、“Kiki Coffee”へ向かう。

店内は、深い青緑色に塗られた壁とコンクリートの灰色、木のテーブルの組み合わせ。ジャン・プルーヴェのポテンスに似たウォールライトが掛かっている。

本日のコーヒーと、プリンを注文。iittalaのマグかな。
コーヒーの粉っぽい感じはフレンチプレスだろうか。苦味は少なく、酸味もほとんどない。……薄い、のか?特徴が掴みにくい。プリンはしゃばしゃばタイプのカラメルソースで、甘さ控え目。

店頭で販売されている一湊珈琲焙煎所のコーヒー豆を買って、自宅で淹れてみてもよかったんだけど、お店の方がお客さんとお話されていたこともあって、買うタイミングを失ってしまった。いずれにせよ、居心地の良いお店だった。

“Kiki Coffee”から歩いて“CLUB QUATTRO”へ。徒歩圏内に個人経営っぽい小さなお店がたくさんあるところが都会だなぁと思う。イオン一強の山口にだってそういうお店はあるものの、車がなけりゃあ無いも同然の距離なので。

16時に物販開始。時間ぴったりに到着したのにすんごい空いてると思いきや、奥の階段に長蛇の列。最後尾を目指して階段を下り、そこから3〜40分かけて上り、物販が済んだと思ったら入場のためにまた下り、再び上って、ひたすらパルコの階段を上ったり下りたりしていた。

ライブは15分押しでスタート。最初のMCで、ラグビーW杯の日本代表がアイルランドに勝利したことを知らされる。

声が低くこもっているせいで、お店での注文が通りにくいという話題で、その解決策を実演するボブさん(高めの声に歪みをかけて店員を呼び、しらすサラダを注文)。それに対するジャンボさんの、店員が来たあとは普通の声で注文すればいいという、至極まっとうな指摘に思わず笑ってしまった。長岡さんいわく「優しい声してる」はずのジャンボさんこそ、頭の回転が早くて毒舌。すごく素敵だ。

ーーじゃあ、やるかぁ。

長岡さんが、バーベキューの後片付けを始めるお父さんのごとく宣言し、演奏が再開される。そういえば、前髪の分け目を変えたせいで落ち着かない気分だと、乙女チックなことも言っていた。

初めて行った広島CLUB QUATTROは、ワイン貯蔵庫みたいなレンガの壁が良い雰囲気。ただ、天井のスポットライトが強迫観念のようにズラズラ並んでいるのは少し怖かった。
ステージから客席へ照らされるライトも、対向車のハイビーム並みに眩しい。もしかしたら、直視できないほどにありがたいバンドだということを、眩しすぎる後光(御光)によって演出した粋な照明担当者がいるのかもしれない。

夜の観光もそこそこに、こだまに乗って、新山口まで帰る。
自宅へ戻る車のなか、物販で購入した新譜“GGKKNRSSSTW”を聴く。CDだと繊細な印象だけど、ライブだとほんとに骨太だ。

GGKKNRSSSTW

GGKKNRSSSTW