部屋と沈黙

本と生活の記録

魂に近い

今週のお題「ごはんのお供」(山口県民の場合)

しそわかめ

井上商店 しそわかめ 90g×5個

井上商店 しそわかめ 90g×5個

  • メディア: 食品&飲料

山口県民なら当然知っている。もし知らなければ、そいつはもぐりの山口県民だ。柔らかいわかめのふりかけで、それ以上でも以下でもない。山口県民にとっては「ふーん」って感じのふりかけだと思う。ソウルフードと呼べるほど魂は込められておらず、そのへんのスーパーに行けば当たり前のように並んでいる。安売りしていたら買い、冷蔵庫にあればもちろんご飯にかけて食べ、こんなふうにあれこれ書いていると無性に食べたくなってくる、そんな味のふりかけだ。


とくぢみそ

大学進学を機に関西で10年暮らしたけれど、まー味噌が合わなかった。近所のスーパーに並んでいるのは白味噌赤味噌で、いずれにしても米味噌だった。

初めての一人暮らし、18歳なんてまだまだ子どもで、子どもなりに一生懸命作ってみても、お母さんが作る味噌汁とは何かが違う。出汁もちゃんと取ってみたのにあんまり美味しくない、何かが足りない、もしかすると私って料理が下手なんかな……。自分で作る“もの足りない”味噌汁の味が心細さに拍車をかけて、次第に作らなくなっていった。

その原因が味噌の種類にあると気がついたのはいつだったか。実家の食卓にのぼる、なんてことない味噌汁がすごく美味しい。私は山口県麦味噌育ち。もちろん、米味噌だって悪くはないのよ。ただ、味が直線的というか、私には何かが足りていないように思える。

今年の下半期は「自分の好きなタイプ」について真剣に検討すると言ったので、とりあえず初回の報告をする。結婚するなら「麦味噌で育った人」か「麦味噌を好きになってくれる人」が良い。でないと一緒には暮らせない。こればっかりは、しそわかめよりも魂に近い。

なお「麦味噌で育った人」に限定しなかったのは、味噌全体における麦味噌の出荷数量比率が4%と低いためです(2019年現在)*1。そもそも「麦味噌で育った人」が少ない。真剣に検討した上で私のところに何も残らなかったら悲しすぎるもん。リスクヘッジだよ。

それにしても「毎朝、俺に味噌汁を作ってくれ」とかいう時代遅れなプロポーズの言葉も、案外、本質だけはついているのかもしれないね。


おまけ

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山口県生まれの緑黄色野菜、はなっこりーブロッコリーとサイシンのあいのこで、甘みがあり美味しい。この写真は今年の3月に撮ったもの。写真に撮るくらい好き。

*1:みその種類別出荷数量〈全味工連集計〉参照 ▷http://zenmi.jp/data/seisansyukka/2000-2019syuruibetusyukkaHP.pdf