部屋と沈黙

本と生活の記録

(仮)

あーだめだ、書けんな。全然書けんから、これを書いている。11月末にバンアパの“November e.p.”が届いて、12月3日に髭の配信ライブ、5日にフルカワユタカのオンガクミンゾク、6日にYCAM爆音映画祭ダムタイプの“2020”を観て、書きたいことはたくさんあるのに、書けない。

いつもは“Pages”に“空白”を開き、思いつくまま書き出したあとで、少しずつ穴*1を繕っていく。書いている最中は言いたいことなんてよく分からないから、タイトルも“空白”のまま進めるのが好きなんだけど、今はもう“空白”*2が増えまくって、いよいよ虚無に溺れそうだから、仮タイをつけることにした。

爆音映画祭(仮)、オンガクミンゾク(仮)、髭(仮)、……ひねってないのが良いんだよ。記号みたいに意味として乾いているのが。仮にしっかりしたタイトルをつけてしまうと、それが檻になりかねんし。

ともあれ先が思いやられる。「オンガクミンゾク(仮)」には「渡邊忍/かっこいい/すごく好きなタイプ」としか書いていないのに想いがつのって困ってるし、「爆音映画祭(仮)」には、小っ恥ずかしいポエム状の言葉がとっ散らかっている。“2020”から手渡されたものが抽象的すぎて、言いたいことはおろか、その手渡されたものが何なのかすらよく分かっていないのだ。

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沈黙は騒音になり得る。ような気がする。

できることならもっと上手く書きたいと思う。Google先生に教えを乞うも、先生方は「言いたいことを明確に」とか「結論から書く」とか言うので、入学前から落第している。

とはいえ、結論ありきの小論文なら、わりと得意だった。複数のものを見比べて、それぞれの良いところと悪いところを取り出し、自分の立ち位置を決めてから、一行目でぶん殴る。そういうふうに書いていれば、大抵は褒められた。ピースが揃っているパズルみたいなものだ。はまりさえすればいい。

それに引き換え、私が本当にやりたいパズルはピースなんて揃っていないし、どんな絵が完成するのかも分からない。この文章も、Google先生が「“書けない”ことを書いてみては?」と言うので書いている。書きながら、そういや〆切にまつわるアンソロジーがあったな、ということを思い出している。

〆切本

〆切本

分かる……分かるぞ、書けないことを書いているあいだにいっそ書けばいいんだけど、どうしても書けぬのです。書けぬことならいくらでも書けそうだ。

趣味に苦しめられている。それでも書く。そうすれば、思ってもみなかったところへたどり着くかもしれない。私は私の知らないどこかへ走って行ってしまいたい。

*1:≒“空白”

*2:“空白”、“空白2”、“空白3”、“空白4”……