部屋と沈黙

本と生活の記録

形容したい

渡邊忍がかっこいい。かっこよすぎる。アコースティックライブはもうむちゃくちゃ良かったし、そもそも、ああいうふうに顔全体で笑う人が好きだ。有り体に言えば、ものすごく好きなタイプの顔が、ものすごくかっこいい音楽をやっていて、口を開けばおもしろい、っていう。すごくない?かっこよさが渋滞している。

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フルカワユタカの『オンガクミンゾク』、第5回のゲストはASPARAGUSのボーカル&ギター、渡邊忍。このASPARAGUSも、the band apartDOPING PANDAと同様、ディズニーのトリビュート・アルバム“DIVE INTO DISNEY”に参加していたバンドだ。

なんかさ、しみじみ「良いの引いたよね」と思う。よくもまあ聴こうと思ったよ。18か19のころにレンタルショップの店頭で見かけて、参加しているバンドはただのひとつも聴いたことがなかったのに、ともあれディズニーなら退屈はしないだろうっていう、それだけの理由だった。

それが今や、バンアパはその頃からのファンだし、フルカワユタカも聴くようになって、渡邊忍はかっこいいし、退屈どころではない。何かのついでくらいに選んだものが、今に続く根っこのひとつになっている。

ライブ中に聞き取れた英単語からASPARAGUSの“I’m off now”を見つけ、アコースティックのコンピレーション・アルバムに“IN DESERT”で参加したというページにも辿り着いた。Amazon musicでは“KAPPA Ⅱ”が公開されている。“BY MY SIDE”とか“ENDING”とかも好きだなぁ。もっと聴きたい。ライブにも行ってみたい。

ちなみに、渡邊忍のハードな女性ファンのことを“くノ一”と呼ぶらしい。ハードになればなるほど“くノニ”、“くノ三”と数字が増え、“くノ十”になると、ハードすぎて敵になるそうだ。ハードな男性ファンは“忍たま金太郎”。これも増える。“忍たま金二郎”、“忍たま金三郎”……。なお、ASPARAGUSのハードなファンは“パラァ”。“PARAR”、だろうか。

なんだかもう“くノ一”くらいにはなっていそうな気がして戸惑っている。

もともとオタク気質じゃないのよ。いろんなことをいっぱい知りたいほうだから、ひとつのことを深く知ろうとするオタク気質に憧れがある。17、8年聴き続けているバンアパですら“万年にわか”のライトファンなのに、何が私をそうさせたのか。

形容したい。私には「自分の好きなタイプに自分がなる」という野望がある。だからこそ、その好きを形容したい。形容すれば、好きが見える。目印にできる。自分自身と一緒にいるだけで、自分の好きなタイプと毎日一緒にいられるなんて、ものすごくコスパがいいでしょ。

渡邊忍を真似てパーカーのひもを蝶結びにしてみる。てらいがない、嫌味がない、テキトーと適当が同居している。「良いこと言いたいな〜」と思案したあとで「夢、叶う。きっと、叶う。……よし」と笑う。テキトーなこと言うなぁと笑っちゃうんだけど、不思議と、本当に叶いそうな気持ちにさせる人だ。

それはきっと、その言葉が本当の言葉だからだと思う。渡邊忍は本当の言葉で話す人だ。小学生レベルの下ネタも、ヨード卵という高級な卵のことも、おそらくすべて本気で言っている。テキトーにも適当にも本気だから本当になる。

私もそうでありたい。テキトーにも適当にも本気でありたい。本当の言葉で話したい。本当の言葉で書いて、私なりの本当の言葉を見つけたい。

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あと、顔。こういうふうに笑う人、ほんとに好き。曲もかっこいいし……まじで渋滞してる。