部屋と沈黙

本と生活の記録

演劇

「私」という不純物 / 束芋 x ヨルグ・ミュラー舞台作品『もつれる水滴』感想

分からない。先週末、山口情報芸術センターで『もつれる水滴』を観た。未だかつてないほどに捉えどころのない作品で、寝て、起きて、寝て、起きても分からない。そしてそのまま忘れそうだ。分からないことを覚えておくのは難しい。ならばいっそ「分からない…

舞台『ドクター・ホフマンのサナトリウム 〜カフカ第4の長編〜 』感想

ほんのちょっとしたささやかなものでも、それを確実に認識すれば、すべてを認識したにひとしい。だからこそ、ひたすら回るこまを追っかけていた。 ーー池内紀編訳『カフカ短篇集』、「こま」より 「カフカの4作目の長編小説が見つかった」という、まことしや…

距離感の物差し/チェルフィッチュ『三月の5日間』リクリエーション

2018.3.10 sat 山口情報芸術センターそれじゃあこれから、チェルフィッチュの『三月の5日間』っていう芝居を観てきた感想を書こうと思うんですけど、あ、観てきたのはこのブログを書いてるYって人なんですけど、それで観てきたんですね、3月の10日に。 車を…