部屋と沈黙

本と生活の記録

浅ましい魂の食べ物

お盆休み2日目。「浅ましい魂」が韻を踏んでいると気づいたことくらいしか書くことがない。今朝、布団のなかで半分寝ながら読んでいた本のなかの「なんて浅ましい」から思いついた。ああ、なんて、なんて浅ましい魂!語尾の「い」だけじゃなく、母音も揃っている。あああいい、ああいい!

あとは本当に書くことがない。ならば無理やり書いてみる。「魂」で思い出すのはグループ魂、ジャニーズ界隈ではコンサートのことを「魂(コン)」と呼ぶらしい。あともうひとつは、天沢退二郎『光車よ、まわれ!』の解説に、三浦しをんが寄せた「魂の食べ物」だ。

奥付は2008年9月18日、ピュアフル文庫版。帯に抜き書きされた「魂の食べ物」という言葉が美しいな、と思った。「魂」も「食べ物」も、誰もが知っている簡単な言葉だ。それを組み合わせただけで、こんなにも奥行きが生まれる。本当に美しいものは、難しい言葉では書かれていない。“それ”はいつも、簡単な言葉でささやかれる。

ただ、肝心の「食べ物」である天沢退二郎の小説のほうは、ほとんど記憶にない。一応、文庫本が発売された14年前に読んでいるのだが……。