11/18(月)
また「別に」をやっている。違法薬物の件は置いといて、何かあるたび「別に」を蒸し返される彼女が可哀想だ。
「過去」はアーカイブされる。それらは「今」と遜色ないくらいに鮮明だ。もしかしたら、もう「過去」そのもののかたちが変わってしまったのかもしれない。忘れてもいいことと、忘れてはいけないことの境界が曖昧になっていく。濃淡のない記憶はただの記録だ。
11/19(火)
フライパンは鍋じゃない。豚ひき肉は豚コマじゃない。
所々レシピを無視して作ったら、全然違う料理ができた(当然)。
11/20(水)
舞台『ドクター・ホフマンのサナトリウム』のためにカフカを読む。意味わかんないなと思いながら読む。意味なんて無意味だという心意気で読む。手始めは岩波文庫の『カフカ短篇集』。まだ半分も読んでないけど、「父の気がかり」は好き。
- 作者: カフカ,池内紀
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1987/01/16
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11/21(木)
「センシティブな内容が含まれている可能性のあるツイートです。」って一体何なんだろうと思いながら今まで放っておいたんだけど、タイムラインに出てきたので設定を解除してみた。すると、「本日はこの竿をメンテナンス。」というコメントに、ギターの写真。なんてことない。なんてことはないが……これは「竿」だな。
とはいえ、「竿」すらセンシティブ認定されてしまうと、釣り人なんて皆センシティブだし、箪笥を数えてもセンシティブだし、この世界はあまりにもセンシティブ過ぎる。
なんだか無駄な職質みたいでおもしろいので、設定を元に戻した。見かけたら解除して、センシティブを収集しようと思う。
- 作者: 永田守弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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11/22(金)
ワインのコルクが抜けず、意気消沈している。一度抜いたことがあるから大丈夫だろうとたかをくくっていた。普段はスクリューキャップワインだからな……。「いい夫婦の日」に独りワインのコルクを抜けずにいるなんて、いつもの二倍哀しい。結婚するなら、私の代わりにコルクを抜いてくれる人がいい。
好意と信頼の先に結婚があればいいなと思う。でも、そんな夢みたいなこと言ってるから結婚できないんだろうなとも思う。婚活パーティーに誘われても気が進まないのは、「結婚」が先にあるようで受け入れにくいからだ。そんなふうに誘いを断ると、そもそも出会わなければ好意も信頼も生まれんやろと言われ、ぐうの音も出ず笑ってしまう。
私は私となら今すぐにでも一緒に暮らせるんだけどな。ただし、コルクは抜けないままだ。
11/23(土)
今、テレビボードの後ろのカーテンの陰に、コンセントを見つけてびっくりしている。自宅にインターネットを引いてからというもの、テレビまわりのコンセントが不足気味で、電源タップを買い足さなければと思っていた矢先だった。ほんとに、すごく嬉しい。もう2年は住んでいる部屋なのに、あると思ってなかったよ。隠されていた才能の発露。
午後は実家で犬の世話。西の空に金星が見える。
11/24(日)
YouTubeでZAZEN BOYSの“Amayadori”を流していたら、途中、「また沈黙、ずっと沈黙、黙りこくった」と歌ったところで、演奏がぴたりとやんだ。沈黙。
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演出にしては随分長いなとスマートフォンの画面を見たら、インターネットの接続が切れていただけだった。それまでは、ただ沈黙を聴いていた。