部屋と沈黙

本と生活の記録

好きになっていく

ゴールデンウィーク最終日の日記を書く前にゴールデンウィークが終わってしまった。日常。たとえば「毎日が夏休みだったらなぁ」なんて話をすると、たいていは「そんなの数週間もしたら飽きてくるよ」みたいなことを言われるんだけど、飽きる?飽きないよね。一生かかっても読みきれない本、観きれない映画、知らない音楽、知らない国、知らないことが目白押しの世界は飽きない。ただ金がない。そうして、買ってもいない宝くじに思いをはせるのが、今のところの私の人生なのだ。

とはいえ、生きているといつのまにか狭量になっていく。知らないことには手を出さなくなる。個人的には音楽の分野について顕著で、いわゆる「最近のバンドはよう分からん」問題である。不倫騒動で話題になったバンド名をワイドショーで知ったとき、今こんなことになってんのかと度肝を抜かれた。

そんな状態で今年、一人で夏フェスへ行こうと計画している。ラジオで聴いて、久しぶりにいいなと思った若手バンドが出演するのと、一緒にフェスへ行っても気詰まりにならない友達ができるのを待っていたら、そのうち死んでしまうと思ったからだ。出演アーティストの半分以上、名前すら知らない。知らないまま、死んでしまうところだった。

数々のコンサートに足を運んでいる私の母は、好きだから行くこともあれば、友達に誘われたその日からそのアーティストの楽曲を日常的に聴いて、好きになって、行くこともある。SMAP、嵐、ゆず、小田和正加山雄三ファンキー・モンキー・ベイビーズ……。スピッツのコンサートチケットの一般販売に駆り出されたこともある(落選)。ちなみに、私が行こうとしている夏フェスへも行ったことがあり、アレキサンドロスがシャンペインだったときを知っている。私なんか、改名騒ぎがあったときに初めて知ったぞ。そのときのフェスTシャツは、母の夏用の寝間着だ。

そんなだから、これから好きになるのも遅くはない。一人夏フェスについてもまた報告します。


でもさー、やっぱり18、9のころから聴いてるthe band apartとかZAZEN BOYS(もしくは向井秀徳)の出演を期待してしまうのよね。

コーヒーとスコーン

ゴールデンウィーク4日目。今日はスコーンを焼き、ケメックスでコーヒーを淹れた。もう普段の土日と変わらないので、テンションがやや下がっている。

我が家の洒落た死蔵品ケメックス。私が持っているのは3杯用なんだけど、これで1杯分を淹れるのはなかなか難しい。ポットの注ぎ口から粉までの距離が遠くなってドリップしづらいのと、1杯分をやたら大きいサーバーに落とせば出来上がりの温度が下がりすぎる。基本的に一人だし(くそっ……)、自ずと出番が回ってこないのだ。

とはいえ、たまに練習しないと上手く淹れられないからな。今日は二杯分をドリップしてみた。

まずは普段使っているカップで二杯分の水をサーバーに入れ、マスキングテープで印をつけておく。このときお湯を使えばサーバーもカップも温まっていいだろう。私は面倒なのでしない。

フィルターはハリオV60と同じ円錐形。扇型の一枚紙を折って作る。ハリオより細い円錐だから、お湯が粉の間を通過する時間も比較的長く……まぁ、なんか違うんじゃね、多分。ドリップし終わったら、三角フラスコのごとく回し混ぜる。

久しぶりにしてはまぁまぁの出来か。コーヒーサーバーとしてはそんなに出番がないけれど、ピッチャーとかデキャンタとして使えるかも。

スコーンは、若山曜子の『バターで作る/オイルで作る スコーンとビスケットの本』から。カジュアルなレシピで大変気に入っている。ただ、ベーキングパウダーの量が少し多い気がするんよね。このあいだ作ったとき苦味が気になったから、今回はレシピの2/3のベーキングパウダーで作ってみたよ。

ふくらみ具合は許容範囲かなぁ。苦味も減ったように思う。試しに舐めてみたベーキングパウダーそのものの味は、苦味というより酸味が強い感じなんだけど、他に原因が考えられないし……。たとえば卵を使ったらもう少し減らすことができる、のか?要研究だな。

今週のお題ゴールデンウィーク2017」

木の曜日

ゴールデンウィーク2日目は木曜日、みどりの日。毎週木曜日は「木の曜日」として、ベランダの多肉植物を気にすることにしている。

多肉植物を育てるきっかけになった熊童子(くまどうじ)。5センチほどの小さな苗が、ほぼ1年でこのくらい。


↑ 購入時。画質が悪くて申し訳ない…

梅雨の終わりから夏、秋、冬、と見てきて、やっぱり春がいちばん元気そうだ。多肉植物はそんなに水をやらなくても大丈夫だということは知っているけれど、実際に育ててみると、水自体はすごく好きなんじゃないかと思う。水をあげた日の翌日は分かりやすく元気だしな。「大丈夫」っていうのは「維持できる」というだけで、「育つ」とはまた違うんだと思う。

《熊童子の育て方》
:素焼き鉢に軽石多肉植物用の土+オルトラン粒剤を入れて育てるとき

〈春、秋〉
・土が完全に乾いてからたっぷり「根に」水をやる。葉に水をかけない。
・雨にあてない。
・日当たりと風通しの良いところに置く。

〈夏、梅雨〉
・湿度が高い季節は、その湿気で水分を維持させる感じ。そんなに水をやらない。
・朝日が当たり、昼以降は明るい日陰になるような風通しの良いところに置く。
・様子を見て、水をやるときは夕方以降に。葉に水をかけない。
・雨にあてない。

〈冬〉
・熊が冬眠する冬は熊童子も眠っている。ほとんど水をやらない。
・比較的温暖な地域だから冬もベランダで育てているけれど、夜になったらダンボール箱へ入れる。ホームレスがダンボールで暖をとっているのをヒントにした。
・あんまりにも寒いときはそのまま玄関へ、朝になったらベランダへ出す。
・晴れの日には出来るだけ日光浴をさせる。
・雨、雪にあてない。

これでトラブルなく徒長もせず、元気に育っている。ただ、鉢の種類によって水やりの仕方が変わってくると思うので、上の限りではない。個人的には、底穴のある素焼き鉢で管理するのがいちばん楽だと思う。通気性が良い鉢だから蒸れによる失敗が少ないし、土が乾いて軽くなっても、鉢自体に重さがあるから強風で倒れることも少ないんじゃないかなぁ。

植え替えは来年で大丈夫だろうから、今年は虫除けのためにオルトランを少し撒くくらいか。

また来年のみどりの日に撮ろう。


なお、ゴールデンウィーク3日目のこどもの日は、撮りためていた『東京タラレバ娘』を観ることで失われた。あれじゃあまるで品のない「少女漫画」だ。「もう女の子じゃない」のなら、彼女らを「少女漫画」で描いてどうする。

もちろん「少女漫画」は悪くないし、ファンタジーとしての「少女漫画」(オースティンの小説とか)は大好きなんだけどなぁ。

今週のお題ゴールデンウィーク2017」