部屋と沈黙

本と生活の記録

山あいの音楽フェス〈暮らしと音楽〉感想

2017.10.28 sat.
鳳鳴地域交流センター

美祢の山あいにある廃校で開かれた音楽フェス〈暮らしと音楽〉へ行ってきた。ペトロールズの『Renaissance』をBGMに車を走らせる。雨。立ち込める霧を抜けて山を越える。

古い木造平屋建ての校舎には暮らしのお店と教室ステージが設けられ、渡り廊下でつながった体育館ステージと行き来できる。地域の人たちが出店しているブースはまさに「父兄の皆さん」といった趣で、手づくりの文化祭みたいに感じがいい。
一日を音楽と山と雨の中で過ごす。


水の抜かれたプール

sonoda caffeのブースでコーヒーを一杯。タイミングよく、ネルドリップの全工程を見ることができた。このあいだも似たようなことを書いたけれど、コーヒーの匂いとドリップの工程を眺めているだけで気持ちがしんとする。自宅用に豆も購入。ぼーっとしすぎて、お釣りをもらい忘れそうになる。


自宅にて

Bar新世界のベーコンエピにはベーコンがしっかり入っているし(世の中にはベーコンの少ないベーコンエピが多すぎる)、8TRACKSの小さい岩のようなスイートポテトは外側がかりかりで美味しい。添えられたホイップクリームとメープルシロップ(たぶん)がいいアクセントになっていて、これは自宅でも真似できそうだ。

アコースティックライブ中心の教室ステージでは、皆が車座になって聴く。オガサワラヒロユキさんをはじめ、私の知らないところで、こんなにも素敵な音楽が鳴らされていたのかと思う。ボギーさんの「モンドくん(中2)との共稼ぎ」発言には笑ってしまった。

体育館ステージのsusquatch、LOSTAGE、elephantーーなかでもインストバンドのcetowがよかった。音楽に限らず、自分たちがいいと思うものを偽りなく続けていくのは、本当にかっこいいことだと思う。

帰りの車の中でcetowの『Normal Temperature』を聴く。衝動的で骨太なライブも、しゅっとまとめたCD音源も、どちらもすごくいい。

それにしても、美祢の山は寒かった。念のために用意しておいたウールのコートを羽織って一人冬の中にいた。

今週のお題「休日の過ごし方」

考えない

コーヒーを自分でドリップするようになって数年、今さらながら、深煎りよりも中煎り〜浅煎りあたりが好きなことに気がついた。元々酸っぱいものが苦手で、コーヒーの酸味、すなわち浅煎り、中煎りのコーヒー豆をなんとなく避けてきたのだが、「古くなったコーヒーの酸味」と「コーヒーの酸味」は違う。当然だ。

とはいえ、コーヒーの味がむちゃくちゃ好きかといわれると、そうでもない。……いや、もちろん好きなんだけど、味よりも香り、香りよりもコーヒーを淹れる工程そのものが好きだといえる。計量する、豆を挽く、フィルターを折る、ドリップする。一定の型があり技術を伴うようなもの、もしかしたら拳銃の組立・解体(映画でよく見るやつ)なんかにハマってしまうことだってあったのかもしれない。

おそらく、何も考えないでいることに居心地の良さを感じているのだろう。考えようとしない奴は馬鹿だと思っていたこともあったけれど、「考えないこと」は「考えること」と同じくらい大事だ。今になって、ようやく気づく。

コーヒーは楽しい!

コーヒーは楽しい!

  • 作者: チュング‐レングトランセバスチャン・ラシヌー
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今週のお題「私の癒やし」

PETROLZ “BASE-12 II” 感想

2017.10.15 sun
周南RISING HALL

開場の2時間前に着くよう、自家用車で徳山へ向かう。雨。

コインパーキングに車を停め、ライジングホールのツイッターを確認すると、グッズの先行販売まで30分。腹ごしらえに近くのパン屋さんへ立ち寄る。
それにしても良い意味で垢抜けない、昭和感のある街だ。

会場で販売されていたグッズは、Tシャツ、トレーナー、帽子、ステッカーセット、バンドのロゴシール、ピック、アルバム『Renaissance』のみ、だったと思う。『Renaissance』以外の音源がないことを残念に思いつつ、Tシャツ(白)とステッカーセット、ピックセットを買う。

車へ荷物を置きに行く途中、自宅のコーヒー豆が切れそうなことを思い出し、コーヒーボーイPH通り店へ。試飲させてもらい、豆2種計200グラムを買う。おまけまでつけてもらった。うれしい。

トロールズについては、CDで聴く限り、少ない音を重ねて広がりや奥行きを感じさせてくれる音楽だと思っていたんだけど、いざライブへ行ってみると、予想以上に“バンド”だった。それも、むちゃくちゃかっこいいバンド。おじさん3人がこんなにかっこいいなんてすごいな〜としみじみ思う。
最初の数曲を終え、クラブへ来たみたいに楽しんで、と長岡さん。適度にリラックスした穏やかな熱気に包まれて、親密な空気が出来上がっていったように思う。なんていうか、お客さんも含めて、とてもチャーミングな雰囲気だったのよね。すごく楽しかったし、盛り上がったし、なにより居心地が良かった。また来てほしいし、また行きたい。この街で聴きたい。

MCも終始和やかだった。ボブさんがちらっと見せてくれた小さい岩に、カタカナで「パワー」と書かれていたような気がするんだけど、最近のパワーストーンは自己主張するんだな。
あとは、ジャンボさんが山口県のかたちについて「フタになってる感じ」と、ちょっとよく分からない妙な印象を持っていることに心を奪われてしまった。私は真顔で変なことを言う人に弱い。

おまけ

ピックをキーホルダーにしてみた。目打ちを熱して穴を開け、バリを取ってからニットピンを通しただけの簡易的なもの。

ステッカーはラミネートして栞にするのもいいな〜。