部屋と沈黙

本と生活の記録

男性ドライバーの皆様へ質問です

やっぱり、車の運転って荒っぽいですか?
#投票で教えてね

  • とても荒っぽい
  • 少し荒っぽい
  • どちらでもない
  • 丁寧です!


トヨタの公式ツイッターで行われた女性ドライバーへのアンケートが一部炎上したという。

女性ドライバーの皆様へ質問です。
やっぱり、車の運転って苦手ですか?
#投票で教えてね

  • とても苦手
  • 少し苦手
  • どちらでもない
  • 得意です!

トヨタは「女性の運転技量が男性よりも劣るかのような不適切な表現」があったとして謝罪。当記事のタイトルに使用した男性ドライバーへの質問は、上記アンケートをもとに私自身がアレンジしたものだ。どうだろう?内容はともあれ、なんらかのネガティブな意図を感じないだろうか?質問のふりをしながら、求める答えはすでに決まっているかのようなーー。

とはいえ『スッキリ』が行った街頭調査では、トヨタのアンケートについて「偏見だと思わない」女性が全体の8割を占めたという。この結果をもとにしたためか、番組内では「小煩い消費者に目をつけられた気の毒なトヨタ」として取り上げられ、息苦しい世の中を嘆くお決まりの流れが形成されつつあった。


番組内でロバート・キャンベル氏が意見したように、この問題の本質は、無意識のうちになされるラベリングという行為そのものの危うさについてである。いわゆるレッテル貼り。「やっぱり、〜ですか?」を「どうせ、〜でしょ?」と言いかえてみてほしい。ほかのコメンテーターらは、この見えにくい悪意に気がついていたのだろうか?『スッキリ』が行った街頭調査の「偏り」はさておき、認知の歪みに気づいていない女性が8割を占めたのは驚きだ。
ネット上では「実際、下手くそな奴はだいたい女」とか「女性は男性よりも空間把握能力が劣る」とか、あるいは「むしろ男の方が事故率は高い」などという発言が散見され、いつのまにか「事実」や「傾向」や「統計」の話にすり替わっているのだった。今回のことは、「事実」や「傾向」や「統計」の問題ではない。念のため。

もちろん、ラベリングすることで生まれる笑い(あるある)や、勝手に貼りつけていたラベルがはがされることによって生まれる愛(ギャップ萌え)など、ラベリングの行為そのものが危険だとは一概に言えないからこそ、違和感や偏見に気づく能力が試されるのだと思う。これを「過剰反応」だの「ノイジー・マイノリティ」だので片付けていいのか?

息苦しい世の中になっていることは認める。ただし、すべてを息苦しい世の中のせいにして、考えることをやめてはいけない。


最後に。

女性ドライバーの皆様へ質問です。
車の運転は好きですか?
#投票で教えてね

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