部屋と沈黙

本と生活の記録

週報 12/23〜12/29

12/23(月)
ワインのコルクの次はピクルスの蓋かよ……。開かない、ピクルスの瓶の蓋が開かない!
まずはゴムを試し、次に熱湯を試したものの、まあびくともしねえ。あとはGoogle先生に聞くしかないとお伺いを立てると、マイナスドライバーで開ける方法があるという。
なんでも、瓶と蓋の隙間にマイナスドライバーを差し込み、てこの原理で蓋を少し持ち上げれば、瓶の内部に空気が入り、蓋が簡単に回るという。
マイナスドライバーをフォークの柄で代用し、さっそくやってみると、今までの苦労が嘘みたいにするっと開いた。
少し賢くなるごとに、人は一人で生きていけるようになる。私はこれからも少しずつ賢くなって、一人でも生きていけるようになってしまう。
だからこそ、一人でも生きていけるからこそ、それでも一緒に生きていきたいと思えるのが良いんじゃんと思う。賢くなるのをやめたくはない。


12/24(火)
書面を作成するたびに今日がクリスマス・イブだということを思い出す。このところ仕事に忙殺されており、少しでもクリスマスの楽しい気分を味わおうと、コンビニに寄ってケーキを買うことにした。
「チーズケーキ!?」
店員さんの声が店内に響く。デザートコーナーには数種類のケーキが並び、店員さんの後ろにはポケットの小銭をジャラジャラ数えながら俯いているおじいちゃんがいた。
「これがいいやん、ね、ひとつはチーズケーキやけ、おばあちゃん(おそらく奥さん)と食べり」
2種類のケーキがセットになった商品を店員さんが選ぶと、おじいちゃんは「(お金)数えてね」と照れくさそうに笑いながら、レジへ向かった。
まじで、まじでみんなが幸せになればいい。頼むから。
自宅に戻り、かつて勤めていた職場でダビング(死語)してもらったクリスマス・アルバムを聴きながら飲む。



12/25(水)

イブの夜に食べきれなかったケーキを朝ごはんとして食べるまでがクリスマス。


12/26(木)
明日は事務所大掃除なので、今日が実質的な仕事納め。日々の業務をこなしながら、「週にひとつやれば上出来」くらいの仕事を4つ片付け、死ぬ思いだった。
昨日、一昨日と渋滞していたケンタッキーは閑古鳥。一瞬、日本のクリスマスのために大量の鶏が殺された、という暗い事実が頭をかすめ、ぞっとする。本当に疲れている。
私は菜食主義者でもなんでもなく、隙あらば「肉を食わせろ」と主張しているのだが、中二病を患っていた女子中学生のときに、家族の汚れた食器を通して「人間は野蛮だ」と気付き、打ちのめされてしまった……3日くらい。というのも、当時は怒涛の成長期で、食べても食べてもお腹が空き、自分の命のためには野蛮であることを受け入れるしかなかったのだ。
人間は野蛮だ。殺して食べて、繰り返し。「白く清潔なトレーに並べられたのは切り取られた死」みたいな邪気眼系ポエムも書いた覚えがある……。
とはいえ、生きている限り自分自身が野蛮であることに変わりはないだろうと、30代になった今でも思う。だからこそ、野蛮であることに責任を持つ。必要なものを必要なだけ、ありがたくいただく。


12/27(金)
事務所大掃除。私が主に担当したのはデータ整理で、今年のエクセル表をもとに来年分を作成するよう指示されたのだが、いっそのこと来年も再来年も使える原本を作ったほうが効率的である。
「これ、原本ないですか?……ない、じゃあ作りましょうよ、再来年からコピペですむし、ラクですよ〜!作りましょうよ、作りますね!」
枠だけが立て付けてあるところには数式を入れなおし、「原本(年末に見てね!)」フォルダを作る。いかにも真面目風だが、私が仕事をする上で効率にこだわるのは、私が極度の怠け者で面倒くさがりやだからである。とにかく早く家に帰りたい。その一心で、最小限の作業から最大限を得ようとしている。ちなみにフォルダタイトルの(年末に見てね!)は、再来年末には原本を作ったことなどすっかり忘れているだろうからだ。
頑張ったご褒美に本屋さんへ寄り、文庫本2冊とコミック2冊を買う。


12/28(土)
もう今日は何もせん!気合いを入れて引きこもる。
ザゼンのライブレポートをまとめたほかは、ミステリを読むか寝るかしていた。空腹をパンとリッツクラッカーでしのぐ。


12/29(日)
あまりにもお腹が空き、ど甘いジュースをガブ飲みしたくなったので、近所のスーパーまで出かけていく。
ドキュメント72時間ねほりんぱほりんなど、年末特番のために録画データの整理をする。見ないまま消してしまった番組も多い。来年は読むにしても見るにしても、意識的に時間を設けないとな。どうも個人的なことになると、効率的にできない。これこそ怠け者たる所以である。
じゃあ普段何やってんのかと考えると、生活(料理、片付け、掃除、洗濯)してるか、泳いでるか、お酒を飲みながら音楽を聴き、あることないこと考えながら文章を書いている。今みたいに。
明日から頑張ります。