部屋と沈黙

本と生活の記録

ちぐはぐな身体

件のマスクがようやく届いた。

事務所が支給してくれる使い捨てのマスクと、母が作ってくれた布マスクを併用しているから、正直なところもう必要ない。そもそも洋服のタグとか下着の縫い目とかが気になるほうで、終始顔に触れているマスクは少し苦手だ。母も「せめて口のまわりに空間があったほうがいいよね」と、烏天狗タイプの布マスクを作ってくれた。

今はもうやってないから思い切って告白するけど、ユニクロヒートテックは縫い目とタグが嫌すぎて裏返しに着てたもん。まず大人としてどうなんだと思ったのと、万が一、服を脱ぐような色気のある雰囲気に、仮によ、万が一なった場合に、すべてが台無しになると思ったからやめた。脱がしてみたら下着を表裏逆に着てる女なんてやだよ。まあ、ヒートテックを着てる時点で色気もくそもないんだけどさ……。

今は車移動が増えてヒートテックを着る機会も減ったし、縫い目のないシームレスショーツがあるし、マスクには慣れた。タグを取るためのリッパーもある。大丈夫、ちゃんと大人になっている。

母に付き合ってもらって、春夏用の仕事着を買いに行く。冬物を揃えたときは結局スカートしか買えなかったんだけど、今回はパンツが2本も買えて本当に嬉しかった!腰が細いというより薄くて、おしりのサイズと差があるから、なかなか合うパンツがないんだよね……。それなのに2本だよ!嬉しい〜。一生、腰骨で履くパンツしか履けんのかなと思ってたから、嬉しくてたまらない。シルエットが綺麗なノースリーブと、モスグリーンのトップスも買って、可愛い洋服を眺めながら酒が飲める。

その後、眼鏡を新調するという母について眼鏡屋さんへ行き、ついでに視力を測ってもらったら思いのほか悪くなっていてがっくりくる。実は、右眼だけが遠視の不同視で、小さいころは矯正のために眼鏡をかけていた。中1か中2のころ、病院の先生から「これ以上続けても変わらない、眼鏡は着けても外してもいい」と言われ、裸眼のまま今に至っている。

年齢のせいか正常だった左眼の視力が落ち、右眼が遠視、左眼がやや近視、両眼に乱視が入ってて、かつ視力の低い右眼を利き目にしてるという、なんかもうめちゃくちゃなんだけど、日常生活にはほとんど支障がない。裸眼で運転もできる。……嘘みたいだろ、私もそう思う。

映画館の字幕とか、舞台上の俳優さんの表情とかがブレて見えにくいから、ちゃんとした眼鏡がほしいと思っていた。大学生のころテキトーに作った眼鏡は、定額制が売りのお店だったのに、レンズは取り寄せだし、料金も上乗せだった。今回、眼鏡を合わせてくれたお店の人も、この見え方でいいのか確信が持てない様子だった。

ちぐはぐで、矛盾だらけで、下着を表裏逆に着る女だよ。あー。

それでもいいよって言ってほしいよ。