部屋と沈黙

本と生活の記録

取り急ぎ、推す

2020年が終わり、2021年が始まった。

みそかは、実家で嵐のラストコンサート“THIS IS ARASHI*1”を観た。最新グッズのTシャツを着た嵐ファンの母は、コンサートのさなかに何度もため息をつき、最後のあいさつを聞きながら泣いていた。

終演後、母にファンクラブ会員限定の紙チケットと、サプライズで封入されていた銀テープを見せてもらう。チケットには母の名前入り。ちなみに銀テープとは、パーティクラッカーの中から出てくる賑やかしの紙ひもを大きくしたようなキラキラのテープで、ライブ後にギタリストが投げるピック、金のエンゼル(銀でも可)、野球ならばホームランボール、とでも言えば伝わるだろうか。ともかく、コンサートの嬉しいおまけみたいなアイテムなのだ。

なんだかおもしろいな、と思う。紙チケットや銀テープがなくったって、配信コンサートはできる。世の中がどんどんかたちのないほうへ向かっても、持たない暮らしがもてはやされても、物は、具体的に人を支える。気持ちを込めることができる。母はとても嬉しそうだった。

聴き覚えのない曲が多かったけれど、“Turning Up”とか“SHOW TIME”は良い曲だと思うな。

配信コンサートのあとは、毎年恒例のジャニーズカウントダウン。私は「年末にマリウスを見守る会」の会長なので、今年はとても寂しかった。見守りたい。そして、決意する。会長たるもの、マリウスが戻ってくる日のために、年末だけでなく年間を通してSexy Zoneを推す、と。

好きなものはたくさんあれど、私が心の底から本気で推しているのは甥っ子と姪っ子だけである。もし、オタク気質に憧れがあるなら、かたちから入ってみようぜ。言うなれば、取り急ぎ、推す。かるくググっただけで、なんかもういろいろあったグループなんだな、ということが分かる。それでも、推す。推して推して推しまくり、年末にマリウスを見守るのだ。

手始めに、Amazonで4月始まりのオフィシャルカレンダーを予約してみた。あ、そうそうSexy Zone、“xy”は赤。……うーん、どうしよう。届く前から戸惑っている。

私の身の回りにあるものは、そのほとんどが一軍だ。洗剤のような消耗品から、ヴィンテージのカップまで、ほしいと思うものを選んできた。いらないものは、いらない。そこに、まだ一軍とは言えないカレンダーが掛かるのか……。

私にとっては居心地が良くても、他の誰かにとっては窮屈かもしれない。気づかないうちに、自分で自分をがんじがらめにしているのかもしれない。

だからこそ推す。自分らしくないこともしてみたい。1年後、何かが変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。それとも途中で飽きるのか?

……2020年を振り返るつもりが、なんだか変な目標を立ててしまった。もうちょっと真面目なやつは後日書こうかな。取り急ぎ、報告まで。

*1:私にとって“THIS IS”といえば“向井秀徳”である。