部屋と沈黙

本と生活の記録

やばいファン

フルカワユタカってバンアパだったんだな。私ももう17年くらいthe band apartのファンだけど、メンバーにフルカワユタカがいるなんて全然知らなかった。いくら17年とはいえ、ライブに行ったのは去年が初めてだし、持ってないCDもいくつかあるし、音楽さえ聴けるのであればインタビュー記事とかラジオとかはまぁいいかと思う“にわか”ファンだからか?

ただ、原さんもフルカワユタカがメンバーだってことを知らなかったらしい。バンドのベースが知らないメンバー、フルカワユタカ。

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フルカワユタカの『オンガクミンゾク』、第二回目のゲストはthe band apartのベーシスト、原昌和。ドラムに山﨑聖之を迎えたバンド編成でのライブ&トーク番組。

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原さんがベースを弾きながら楽しそうにしているのを見ると、なんかもう嬉しくってしょうがない。梅干しを見てるとよだれが出てくるレベルの条件反射だから、なんで嬉しいんだか、正直よく分からない。オンとオフしかないスイッチ、電池は直列。何も考えていない。

甥っ子や姪っ子のことを思い出すとき、自分を“見失って”いるかどうかは分かんなくても、自分を“失って”はいないと分かる。盲信に似た状況なのに、むしろ腹の底から元気が出てきて、自分の輪郭が押し広げられていく。なんだってできる気がする。その場所は明るくて、地下にいる感じはしない。
2020.7.9「諦めるのを諦める」より

私にとって、原さんはもう甥っ子姪っ子レベルになっちゃってる。甥っ子姪っ子が楽しそうにしているだけで、ほんとに、心底嬉しいもん。理由はない。いや、あえて理由を述べるとしたら、彼らが私の甥っ子姪っ子であり、原さんだからだ。それだけでいい。それだけで嬉しい。

私が“にわか”でいるのは、“にわか”でなくなるとやばいからだ。私が“にわか”でなくなるとやばい。

どうやばいかは、さっき引用した「諦めるのを諦める」に概ね書いたからいいとして、とにかく、何も考えないでいるのって甘美なのよ。音楽を聴いているときみたいに。自分を見失って、そのまま自分を無くしてしまうくらい溺れるように傾倒したいっていうのと、自分の目で見ず自分の頭で考えようとしない奴は大馬鹿だっていうののあいだで揺れてる。ずっと。

まぁ、「原さんは甥っ子姪っ子」って言ってる時点でもうやばいけどな。もちろん「俺、バンアパかも」って言っちゃうフルカワユタカも相当やばい。