フルカワユタカの『オンガクミンゾク』、第10回のゲストはthe band apartの荒井岳史。「フルカワユタカのファンで俺を知らないやつはもぐり」と荒井さんが言っていたように、もはや実家の様相で、スクショの1枚すらない。ただ、このあいだバンアパのライブを諦めたからか、荒井さんを見ただけで「うわー、荒井さんがおる!動く!!!」と嬉しくなってしまった。
オンガクミンゾクの配信があった当日は、18時からCAPTAIN HEDGE HOGの配信ライブもあり、早々に飲み始めていたせいで、今回もあんまり覚えていない。なんか……お互いの曲をカバーし合い、「どうせやる」“SEE YOU”をやって、かつての不穏な空気とか、荒井さんが歌っていた短い曲も良かったな、最後の曲も*1。あと、タロティは何もしていない。
スクショがないので、15年前に買ったDVD*2のブックレットから、かつての荒井さんをはっておこう
10代のころから聴いているのに、数年前まで荒井さんの地声がかっこいいことを知らなかった。歌声が変わったな、と思うことはあったものの、長いあいだ音源を聴くだけでライブには行こうとしなかったから、荒井さんの話す声を聞く機会がなかったのだ。
バンアパを聴き始めた当初は、荒井さんの歌声についてとくに思うことはなかった。今は、良い感じに力が抜けていていいなぁと思う。平かで自然だからこそ、なんでも自由に盛りつけられる、みたいな歌声。そして地声も良い。だからもし、荒井さんの地声に近い音程で構成された歌メロがあったら、きっとかっこいいんだろうなぁと思う。語るように歌う、じゃなくて、話しかけるように歌う、みたいなさ。そういうのも良くない?
たぶん私は、語るように書くんじゃなくて、話しかけるように書きたいと思っていて、そういう感じが好きなんだろう。……あー、なんかこれ、本質にさわれそう。書けないと思っていた「好き」を書くためのスイッチになりそう。たとえば“向井秀徳は語らない。”から始まる文章。
たまにこういうことがあるから、音楽とか芸術みたいな、抽象的でよう分からんものを書くのは楽しい。ネット上に数多公開されているライブレポと比べると、私の文章は異質というか、自意識過剰すぎて恥ずかしい。ちょっとへこむ。自分のことばーっかり書いて、ろくにレポートもせず、素人感覚丸出し、まぁダサいんやろうなと思うのに、このまま、何も知らない素人でいたいとも思う。
知りたい。でも知った気にはなりたくない。知った気になってしまえば、そこはもう行き止まりだ。
何も知らない素人。そういう、大したことない私が私のすべてだからなぁ。きっと「大したことない私が私のすべて」みたいな人って、いっぱいいると思うのよ。ディスってるわけじゃないよ、うまく言えないけど……。私は語りたくない。「大したことない私が私のすべて」みたいな私に、あなたに、話しかけたい。