部屋と沈黙

本と生活の記録

川は静かに流れる

久しぶりに「書きたい」と思わなかった。先週の月曜日から金曜日まで、仕事と必要最低限の家事以外は眠ることに費やした。Twitterのタイムラインは傍らで静かに流れる川のようだった。指と指のあいだをつめたさが撫でる。通り過ぎる。水をすくっても川をつかまえることはできない。

7時間半寝ても「もうすこし寝たい」と思う“私”という乗りものは燃費が悪い。

とはいえ、やる気がなかったわけではない。土曜日には美容院へ行ったし、無印良品のネットストアで5,000円ちょっとの買いものをまとめ*1、日曜日にはタイヤを買った。交換のあいだ、流行りのポップソングと思しき歌がワンフレーズ、ワンフレーズ、切れぎれになって移り変わり散乱、ばらばらになりそうな意識を持ち込んだサイエンス・フィクションに無理矢理ねじ込む。どうしてワンフレーズしか流さない?“そう、一台のコンピュータと向き合うとき、我々には自分が誰と交流しているか知るすべがない。”ひどく煩い……。“ーー人か、コンピュータか、それが問題だ。”

SFのおもしろいところは、すべてが「私は(我々は)何者か」という問いに収束していくところだ。AI(人工知能)がおもしろいのは、いずれ“人間の問題”になっていくからだ。機械とは?知能とは?そもそも、人間とは?数学も、科学も、哲学も、宗教も、すべての学問が、物語が、それぞれの場所からただひとつの消失点を目指し、まっすぐに伸びていく。それはとても美しい。いつか辿り着けるだろうか?

自宅に戻り、ネックラインがいまひとつだったワンピースのリメイクをする。不器用なのに几帳面なのでむちゃくちゃ時間がかかったものの、思い描いた通りの仕上がりでうれしい。中心の飾りボタンは着古して処分したカーディガンに付いていたもの。綺麗だから取っておいた。

f:id:roomandsilence:20210628001335j:plain:w400
深いVネックを浅くリメイク。

そんな感じ。あとはとりとめもない考えごとばかり。書き始めれば長くなるので、今日はやめておく。いつも「書きたいこと」ばかりが堆積していく。それすら、いつか押し流される。

*1:送料が無料になる。