部屋と沈黙

本と生活の記録

まじで“おめでとう”

30日に有休を取ったので、今年のGWは7連休だ。何をしようか、積読しているコミックス版『風の谷のナウシカ』を読むか、それとも、この際ちゃんとエヴァンゲリオンを観ようかな。むかしニコニコ動画でテレビ版全26話の一挙放送を観たときは、ほんとにものすごく長くて徐々に意識が朦朧とし、最終回を迎えたときには「まじで“おめでとう”だよ……」と思った。あんなに人気があるカヲルくんのことさえ、ほとんど覚えていない。

ただ「おもしろかった」という印象と、装甲に覆われたエヴァの、切ったら血の流れる人間味がグロテスクで良かったことだけを覚えている。美しい異形の兵器。

そんなふうに、何をしようかあれこれ考えながら何もせずのんびり昼寝をしていると、母から呼び出しがかかった。

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おやつどきのカフェはほぼ満席。私を含め、皆このコロナ禍に慣れつつある。きっと良くないことなんだろう。でも、ひとたび罹患してしまえば吊し上げの晒し首だったころと比べると、まだマシだと思ってしまう。罹患者を非難していたくそみたいなやつらも、1年かけてようやく自身が同じ人間であることを思い出したんじゃない?

明日の午後、買いものに付き合う約束をし、母と別れる。書きかけの文章が書き上がる気配もなく、でもGW中は1日にひとつ日記を書くつもりでいる。なお、書きかけの文章は鋭意脱線中で、アコギの音について書いていたのに、いつのまにかピアノの音のどういうところが好きか、みたいな話になってしまい、どうしてもピアノの音が聴きたくなって、YouTubeラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』を聴いて泣く。……なんか文章におこすと情緒不安定でやばいな。でもふつうに元気です。

そういえば『さよなら、バンドアパート』っていう小説が映画化されるらしい。全然知らなかった……。タイトルから類推して、どんなに好きで憧れていても、俺は“the band apart”にはなれない、俺は俺になるしかない、みたいな物語かなぁ。どうなんやろ、バンアパのファンだからこそ、なんとなく不安、みたいな。

以前、私の好きな作家の名前がタイトルに入った小説を読んだとき、それがまぁ、私にとってはいまひとつやったんよね。表題に挙げられた作家はむちゃくちゃ良いのに!と思っちゃって。

……とはいえ失礼だよね、こんな感情。失礼だよなぁ、まだ読んでもいないのに。自分の目で確かめてもいないくせに、文句ばっかり言うやつがいちばん嫌いだもん。