部屋と沈黙

本と生活の記録

難癖じゃない「なんか嫌」

2割引きのシールが貼られたミニピザ3枚のうち1枚を取り出し、透明なビニールの繭を破る。チルド室で折り重なるベーコンの1枚分を短冊状に切る。のせる。250度に温めたオーブンで焼く。ガラスのコップにドライレモンを入れ、炭酸水を注ぐ。泡、いくすじもの泡。本を読む。ピザの焼き加減を確かめようとオーブンを覗く私と目が合う。眼鏡、半纏、セーター、左手には図書館の本。窓の外は曇り。

2月が終わりそうだ。

なんだかもうずっと仕事が忙しい。平日に頑張って働いているのだから、休日くらい怠けたって良いよね!という心意気で過ごしていたら、2月も下旬になってしまった。どう?元気してた?私は「健康だと働かなくちゃいけないんだな……」と思うくらい元気してたよ。働きたくないでござる。

2月の休日は、主に昼寝かアマプラで映画を観ていた。いくつかはTwitterに短い感想をあげている。日記に書き散らかした140字以上の感想をそのままブログにアップしてもいいのかな〜と思いつつ、あくまで自分用だから、辛辣なときはまじで辛辣なのよ。私にとっての「なんか良い」を表現するときと同じように、私の持ち得るすべての言葉を使って「なんか嫌」を表現してしまう。結果、各方面に失礼。

できることなら、人としての礼は失いたくないじゃない?でも、2月の休日の私は「人として」っつうか、そもそもの人間性を失うほどに怠けていたから、礼どころじゃない。

ただ、いつも迷うんだよね。各方面に失礼のないよう「なんか嫌」を表に出さないようにしていることと、あまりにも「なんか良い」が過ぎて言葉にならず表に出せないでいることは、第三者からすれば“無言”という点で同じなんじゃないかって。私にとってはまったく違うのに。

それに、難癖じゃない「なんか嫌」は、きっと「なんか良い」と同じくらいおもしろいはずなのよ。批評、みたいなこと。ただ「なんか嫌」を表に出せるレベルで書けるようになるには、相当な努力が必要だと思う。鋭利で美しい刃物みたいな言葉。たぶん「なんか良い」を書くより10倍難しい。

まぁ、ふつうにしゃべってるときは「なんか嫌」ってすぐ言っちゃうんだけどね。。おしゃべりだったら言葉以外にも表情、間、声音があるし、伝わることが格段に多いから、言葉だけの文章よりもやりやすい。つまり、言葉だけの文章とは、表現においての縛りプレイやね。燃える〜!