部屋と沈黙

本と生活の記録

○○っぽい音楽

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中歌“星座になれたら”が「バンアパ*1っぽい」と聞き、YouTubeで聴いてみた。たしかに、これまで聴いたどの「バンアパっぽい」よりもバンアパっぽい気がする。きっと原さんのベースが好きなんだろうな〜。良い曲だと思う。

ただ「バンアパっぽい」から「好き」とはならないのが不思議なところだ。これは、私が「○○っぽい音楽」にそれほど魅力を感じないせいだと思う。私がバンアパを好きになったのは「ほかのどのバンドにも似ていない」と思ったからだ。初めて聴いたときは本当にびっくりした。それから20年近く経った今も、新曲が発表されるたびに驚きがある。

もし私がミュージシャンだったら「○○っぽい音楽」をつくりたいとは思わない。私は、私がまだ聴いたことがない音楽をつくりたい。「○○っぽい」と言われるものにははもう「○○」がある。「済」のチェックが入っている。それなら私は、まだ「○○」になっていないものを見つけたい。「このフレーズを知っている」よりも「このフレーズは知らない」を知りたい。

「○○っぽくない」もののほうが好きなのかもしれない。はみ出しものはおもしろい。それでもなお「○○っぽい音楽」をつくるとしたら、たとえば「冬の冷たい空気を深く吸い込んだときっぽい音楽」とかが良いなぁ。