部屋と沈黙

本と生活の記録

ある日の日記と、お買いもの日記〈福岡編〉その2

村上春樹がマラソンを始めたのはいつだっけ?

書くことにも体力がいると、いつか村上春樹が書いていたような気がする。読んだときは「そうかな?」と思っていたけれど、いざ自分が40代を目前に控えてみると「そうかも」と思う。書きたいことは今も多くあるのに、すべてを書き終える前に疲れてしまう。私にとって、書くことは考えることだ。

年明けからこのかた、世のなかのあらゆる動揺に感情が乱れ散って、それらを片付ける間もなく週5で働き、休日のほとんどを眠ったまま過ごした。悲しいことと、腹の立つことが多すぎる。心底、嫌になる。それを書く、けれど書き終えられない。そうやってひと月が過ぎた。

考えることに価値を見出しているせいで、考えない私の価値は日に日に差し引かれていくように感じる。本当はもっと軽薄に、自分の価値を見出せたらいいのに。ひとつ、ふたつと言わず、ななつ、やっつくらい。そうすれば、ひとつが駄目になっても、ほかが支えてくれるだろう。

1月の終わりにハンガリーからやってきた小さな人形劇を観て、このあいだの日曜日にはZAZEN BOYSを観に福岡へ行った。福岡で買った小さなものを開けていると、気持ちが上向いた。


これはシャチハタのインクパッド〈いろもよう〉。藤色と、銀鼠色。油性顔料系のインクだから、重ねて押しても色が滲まない。水性ペンで上から文字を書いても大丈夫だった。今までは黒のインクパッドしか持っていなかったから、とても嬉しい。

貴和製作所にも初めて行ってみた。

また目的もなく買っちゃったな〜。楽しかった。ひとつひとつは数百円だから、ちょっとしたお菓子を買う感覚で買いものカゴに入れてしまう。買ってばかりではなく、ちゃんと使っている……はず。最近はあまり進んでいないけれど、刺繍の練習のときに刺してみたり。

かなり小さいブローチピンは、ずっと「ブローチにしたら絶対に可愛い!」と思っていたミニチュアのメガネにくっつけてみたり。


最初はパーツクラブで買ったブローチピンで作ろうかな、と考えていたんだけど、サイズ感がしっくりこなくて、ずっと放置してたんだよね。メガネのつるの部分がちょっとカーブしているから、ピンのサイズが大きいと、接面に隙間ができやすい。その点、今回のブローチピンはほぼ大丈夫だった。

地元の本屋さんで買えなかった文庫本を買いに丸善へ行くと、店内の3か所で平積みされていて、ますますしょんぼりする。

文房具コーナーで見つけたおもしろい栞〈スワンタッチ〉もあわせて購入。読んでいるときの目の邪魔にならないよう、黒を選んだ。


栞本体を奥付のあたりに挟み込み、スワンのクチバシを読んでいるページに引っ掛ける。そこから読み終えたページをめくると、スワンのクチバシがページから離れ、次のページに引っ掛かる仕組みだ。栞本体は柔らかいPP素材なので、ページをめくるときに紙が傷む心配もない。

本体裏にはページと栞本体を固定するテープが付いているけれど、紙が傷むので外してしまった。本にふせんを貼るのも嫌なくらいだし……。今のところ、テープなしでもとくに問題なく使えている。

ただ、分厚い本はちょっと苦手みたいだね。写真の文庫本は530ページくらいなんだけど、何度かページをめくったり、閉じたり開いたりを続けるうちに、力尽きてしまった。



半分くらいのページなら余裕だね。本を読みながら寝てしまったときに重宝しそう(よくある)。しかも、バンアパ*1の地元、板橋の企業だよ〜!