部屋と沈黙

本と生活の記録

音楽

『暴君フルカワくん』

「フルカワくん、骨格変わったよね?」チバ先輩から声を掛けるなんてめずらしい。なにしろ暴君フルカワくんは暴君である。一触即発、先輩とはいえ、気に入らなければ予鈴が鳴り止むのも構わず説教し続けるだろう。加えて暴君フルカワくんは2頭身なので、骨格…

the band apart “kirigaharetara” MV感想

木曜の晩に、バンアパの新しいMVが公開された。“AVECOBE”に続き、バンアパスタッフりきせ君*1が監督をしたらしい。今回も、木暮さんが「忌憚なき意見を」とおっしゃっていたので、ここに書いておく。YouTubeのコメント欄に書くにはおしゃべりがすぎるし……。*…

ナチュラルに不自然

フルカワユタカの『オンガクミンゾク』、第6回のトークゲストはACIDMANの大木伸夫……は置いといて、言おうか言わまいかずっと迷っていたことがある。言ったことで誤解を生み、誰かを傷つけてしまうのは本意ではない。この気持ちをうまく説明できる気もしない…

形容したい

渡邊忍がかっこいい。かっこよすぎる。アコースティックライブはもうむちゃくちゃ良かったし、そもそも、ああいうふうに顔全体で笑う人が好きだ。有り体に言えば、ものすごく好きなタイプの顔が、ものすごくかっこいい音楽をやっていて、口を開けばおもしろ…

髭 “LiVE STRM HiGE – ZOZQ – ” 感想

iPadに取り込んだ9/10のライブ映像を観ながら(正確に言うと“聴きながら”)、12/3のライブを思い出している。配信ライブの良いところは、開始直前まで洗濯物をたたんでいてもいいし、好きなお酒をゆっくり飲んでもいいし、メモを取ってもいいところだ。興味…

the band apart “November e.p.” 感想

Spin the Light 今年の8月から11月にかけて発売された4枚のe.p.のなかで、いちばん好き。正直なところ、前作の“pool e.p.”で発表された“夢の中だけで”は個人的にあまりピンとこず、川崎さんの曲にはそこまで期待してなかったのよ(まじでごめんね!)。それ…

バンドTシャツでかい問題

「バンドTシャツでかい問題」について考えていたら、髭の『ZOIQ-ZOZQ』限定セットが完売していた……。ライブアルバムと、Tシャツと、今年の9/10に配信されたライブ映像のダウンロード権がセットになったもので、以前このブログにも書いた9/10の配信ライブがも…

the band apart “October e.p.” 感想

“Time waits for no one” 8月、9月と聴いてきて、10月の“Time waits for no one”がいちばん「バンアパっぽい」雰囲気なんだけど、よく聴くと“すこし不思議”。とくに不思議だったのは、“むかし愛した/女は全て”から始まるひとかたまり(Bメロっていうのかな?…

その好きは不純

もうだめかもしれん。やってしまった。かっこいい音楽レビューなんて到底無理だから、せめて、音楽を聴いて考えたことを、まっすぐ書きたいと思っていたのに。これ……、シャツを見て思ったことじゃん。音楽どこいったよ!?たとえ明後日の方向からだとしても…

the band apart “September e.p.” 感想

“MTZ” かっこいいな〜。ほんとかっこいい。これ、スピードは一定だよね!?スピードは一定だけど、切り分け方が違うというか……。でも、最初のほうはリズムが重なってるような気がするんだよなぁ……。表だと思っていた拍が、もうひとつのリズムの裏とくっつく…

小さく棲む、あるいは複数の椅子

最初に言っておく。これはレビューではない。セットリストはおろか、音楽のことなんてほとんど書いていない。記録というより記憶に近い、印象の触りみたいなものだ。かっこよくレビューしたくても、できないもん。ん?って感じ。まあ、一人くらいトンチンカ…

ただごとにいたらず

なんでもない1日をなんでもないまま書くのが苦手なんだろうと思う。見て、書きながらもっとよく見て目を凝らし、「考える」に至らなければ何もかもが至らない、そう思ってしまう己の性分がまじで面倒くさい。「考えない」ことは「考える」ことと同じくらい大…

髭 “LiVE STRM HiGE” 感想

なんかもう配信コンテンツにほいほいお金を使いすぎている。音楽だけが好きならそれも構わないんだけど、幸か不幸か私には好きなものがたくさんあるのよ。本も、洋服も、美味しいものも、小さくて美しくて可愛いものも、好きで好きでたまらない。田舎のしが…

the band apart “August e.p.” 感想

the band apartの“August e.p.”が届いた。“August”なら“September”で、“October”もあんのかな。10月は私の誕生月だから、勝手に期待して嬉しくなっている。本稿は評というより感想。ていうかいつもそう。楽曲レビュー的なことは他の音楽ライターの方に任せて…

やばいファン

フルカワユタカってバンアパだったんだな。私ももう17年くらいthe band apartのファンだけど、メンバーにフルカワユタカがいるなんて全然知らなかった。いくら17年とはいえ、ライブに行ったのは去年が初めてだし、持ってないCDもいくつかあるし、音楽さえ聴…

揺れる

このあいだの朗読で、柴田先生が「声に出して分かりにくい言葉は、黙読でも分かりにくい」とおっしゃっていたのを思い出す。「翻訳するときに気をつけていることは何ですか?」という質問への回答だ。 議長の消え入るような「どうぞ」を一拍目とすると、二拍…

紙の束とピアノの音

オンライン紙博のライブラインナップに「曽我部恵一」の名前を見つけて、積読の山から『昨日・今日・明日』を引っ張り出してきた。ちくま文庫版の奥付は2009年11月10日。それよりももっと前(だったと思う)、ROCKIN'ON JAPANで連載されていたコラムが好きで…

野っ原で踊る酔っ払い

フルカワユタカの『オンガクミンゾク』、第一回目のゲストは髭の須藤寿。髭のことは、なぜか、あの髭面のロゴだけを知っていた。24、5の頃に勤めていた本屋さんの、バイトリーダーのスマートフォンに髭のステッカーが貼られていて「髭聴くんだ、意外だな」な…

持ち運びのできる小さな箱

恋に落ちるっていいね!ほんとにいいね!!『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』に恋のときめきを思い出させてもらえるとは予想していなかった。初対面なのにクララの帽子がずり落ちてるところなんか間が抜けてて超可愛いし、「正しくないこと」を選ん…

言葉はアニーとクララベル

2020.6.21 Sun. fanistreamフルカワユタカと荒井岳史(the band apart)のアコースティックライブ配信を観る。なんかもう、びっくりしすぎて何も言うことがない。「かっこいい」のかたまりしか覚えていない。語彙が失われている。言葉だけが私の手がかりで、…

君は多面体の

車の中で音楽を聴くのが好きだ。車を運転するときの、俯瞰的に集中しながら移動する感じが、音楽を聴いてるときの感じと少し似てる。あとは、単純にスピーカーの数が多いし。時おりナビに邪魔されながら(「およそ、300m先、右折専用レーンがあります、ご注…

一億光年と一日

3/29にYouTubeでライブ配信されたフルカワユタカとthe band apartのツーマンツアー「Play with tour 2020 "with mellow fellows"」のアーカイブ映像をようやく観た。きっかけは、原さんとフルカワユタカの“お家でドナルドとウォルター”。「フルカワユタカっ…

無用の用

何の役にも立たない、どうでもいいことを書きたい。たとえば、通勤中の車の中で、犬が犬を見ている、という状況に出くわし、思わず「犬が犬を見ている!」と一人実況した直後、その言葉の中にもやはり犬が2匹いて、その倍増しの可愛さに和む、みたいな。たと…

ZAZEN BOYSツアーMATSURI SESSION 感想

NUMBER GIRLが解散したあともNUMBER GIRLに夢中だったがために、ZAZEN BOYSのことは「向井秀徳がNUMBER GIRLの後に始めたバンド」という認識しかなく、たまに思い出してはyoutubeで聴いたり、アルバムを買ったりするくらいだった(持っているのは、なぜか“3”…

the band apart “POOL e.p.”リリースライブ SMOOTH LIKE BUTTER TOUR 感想

大学生のときにthe band apartがアレンジした“WHEN YOU WISH UPON A STAR (星に願いを)”を聴いたのが、そもそもの始まりだった。音楽開拓民だった当時の私は、その曲が収録されているディズニーのトリビュート・アルバムをレンタルショップで見つけ、新し…

PETROLZ “3 Code” 感想

2019.9.28 sat 広島CLUB QUATTRO蒸し暑い朝だ。こだまに乗って、広島まで行く。今日は2年ぶりのペトロールズのライブ。今でこそネット上に様々な音楽があふれているけれど、「場」や「ライブ」を体感することは他に代え難い。ライブ前に、路面電車で中電前へ…

GGKKNRSSSTW→ SWNKRKSTGSG

アルファベット順に並べられたペトロールズの新譜“GGKKNRSSSTW”。「好きに並び替えていい」とおっしゃっていたらしいので、やってみた。全11曲の並べ方は11!(11の階乗)=39,916,800通り。“KAMONE”を中心として、“SMOOTH ME”から始める。もうひとつの柱は“T…

山あいの音楽フェス〈暮らしと音楽〉感想

2017.10.28 sat. 鳳鳴地域交流センター美祢の山あいにある廃校で開かれた音楽フェス〈暮らしと音楽〉へ行ってきた。ペトロールズの『Renaissance』をBGMに車を走らせる。雨。立ち込める霧を抜けて山を越える。古い木造平屋建ての校舎には暮らしのお店と教室…

PETROLZ “BASE-12 II” 感想

2017.10.15 sun 周南RISING HALL開場の2時間前に着くよう、自家用車で徳山へ向かう。雨。コインパーキングに車を停め、ライジングホールのツイッターを確認すると、グッズの先行販売まで30分。腹ごしらえに近くのパン屋さんへ立ち寄る。 それにしても良い意…

アナログクオーツと熊と雨

雨のなか、ペトロールズのライブへ行って、帰ってくる。感想は後日!このあいだのフリーマーケットではSEIKOの腕時計と熊のピンズを買う。時計本体と比べ、ベルト同士を留める金具のキズが少なく、新しい。おそらくきちんと手入れがなされ、長く使われ続けて…