部屋と沈黙

本と生活の記録

東京旅行〈後篇〉 東京ディズニーリゾート

東京旅行、2日目は東京ディズニーランドへ。高校生のときの修学旅行以来だから、ほとんど20年ぶりである。当時、パーク内をうろついていたミッキーと偶然遭遇し、一緒に写真を撮ってもらったことを、今でも嬉しく思い出す。 ホテルの部屋から東京湾を眺める…

東京旅行〈前篇〉国立科学博物館 / 国立西洋美術館

8/23から2泊3日の東京旅行へ行ってきた。メンバーは母、妹、甥っ子姪っ子、私の計7人。私(30代後半)と末の姪っ子(8ヶ月)は、人生で初めての飛行機である。切符を通せば乗車できる新幹線とは違い、搭乗手続きや保安検査を経て、ようやく出発となる。飛行…

なつやすみ

土日と有休をくっつけて9日間の長期休暇を取り、2泊3日の東京旅行へ行ってきた。メインは東京ディズニーリゾート。ランドへは小学生のころに家族で一度、高校生のころに修学旅行で一度行ったきりで、シーは初めてである。今回は、母、妹、甥っ子姪っ子、私の…

忘れられない女の子 / アストリッド=リンドグレーン『長くつしたのピッピ』

実家へ行ったついでに、本棚からリンドグレーンの『長くつ下のピッピ』を抜き出す。私が読んでいたのは講談社の青い鳥文庫版。まえがきによると、シリーズ3作品からリンドグレーン自身が選んだベスト版の全訳らしい。子どものころはとにかくたくさん読みたか…

浅ましい魂の食べ物

お盆休み2日目。「浅ましい魂」が韻を踏んでいると気づいたことくらいしか書くことがない。今朝、布団のなかで半分寝ながら読んでいた本のなかの「なんて浅ましい」から思いついた。ああ、なんて、なんて浅ましい魂!語尾の「い」だけじゃなく、母音も揃って…

Q

読み終えてみれば児童文学だった。午前3時。きのうは早寝をし、昼寝もたっぷりしたから、それほど眠くはない。あとがきによると、イギリスの児童文学賞を受賞しているらしい。しかし、いまひとつぴんとこない。思い返せばサン=テグジュペリの『星の王子さま…

the band apart 9thアルバム“Ninja of Four”全曲感想

ライブで初めて聴いたときの印象をたよりに、the band apart 9thアルバム“Ninja of Four”の感想を書く。音楽のジャンルに疎いため、素人感丸出しの表現を駆使するしかない。個人的には楽しく書いた。それに、このあいだのアジゴシ配信で、川崎さんのギターが…

日曜日の午後ファンクラブ

たまっていた家事を片付け、もうなーんもすることがない日曜日の午後が好きだ。そんなときは、昼間っから飲もうぜ。お酒のアテは、きのう母親からもらったきゅうりの辛子漬けと紫玉ねぎの甘酢漬け。お惣菜のコロッケを魚焼きグリルで温め直す。本日はくもり…

近況、その他

ベネディクト・カンバーバッチ主演の『シャーロック』がアマプラにラインナップされたというので、実家の本棚にあった『シャーロク・ホウムズの冒険』を読む。たぶん高校生のときにブックオフで買ったまま、今までに一度も読んだことがなかった。 まだ材料が…

the band apart 9thフルアルバム“Ninja of Four”リリースライブ SMOOTH LIKE BUTTER TOUR 感想

土曜日はthe band apartのライブを観に福岡へ行ってきた。個人的には2年8ヶ月ぶりのバンアパ(配信ライブを除く)。ファン歴はまあまあ長いほうだとは思うけれど、実際にライブへ行くのは2回目だから、いつものレコ発ライブがどういうものか、よく知らない。…

分かっている人々

いずれにせよ当事者が、彼らの「真実」のなかで幸せに暮らしているのなら、それで良いのかもしれない。私が水を差す権利はない。それは彼らの「真実」で、私のものではないから。私はどちらかというと理屈が好きで、事実がねじ曲げられていると無性に腹が立…

「ご存知ですか?」

なんだか思うように書けない。私が知りたいのは「真実」ではなく「事実」だ。真実は人によってかたちを変えるが、事実は変わらない。たとえば精神疾患による幻聴やその苦しみは、当事者にとって真実である。私はその苦しみを否定しない。ただし、その真実は…

「私」という不純物 / 束芋 x ヨルグ・ミュラー舞台作品『もつれる水滴』感想

分からない。先週末、山口情報芸術センターで『もつれる水滴』を観た。未だかつてないほどに捉えどころのない作品で、寝て、起きて、寝て、起きても分からない。そしてそのまま忘れそうだ。分からないことを覚えておくのは難しい。ならばいっそ「分からない…

ベースは対話する

自らを「リズム・ベース派」と称し、安易に「ベースが良い」「ドラムが良い」などと言ってしまうけれど、それって一体何が「良い」のだろう。音楽を聴いているときのことを思い返してみる。まずは主旋律がある。それを口ずさみ、頭のなかでベースラインを鳴…

portrait in music / リズム・ベース派の私がギターソロについて考えたこと

「サブスクではギターソロを飛ばす若者が多い」らしいとTwitterで見かけて、へえ!と思う。おもしろいな。同じ音楽を聴いていても、人によって聴こえ方が違うと気づいたのは、私が小学生のころだった。 私はどちらかというと音楽をかたまりで聴くタイプと言…

日曜日

ベランダの植木に水をやり、Amazonプライムビデオの「プライムに最近追加された作品」「もうすぐ配信終了」「高評価された作品」を眺めてはウォッチリストに入れたり、ソファで昼寝をしたりしていたら、あっというまに一日が終わってしまった。「もうすぐ配…

途上 / 山口アーツ&クラフツ 2022

スーパーで八朔を買った。橙色のまんまるで、清潔なにおいがする。そういえば洗剤には柑橘系の香りが多い。でも、洗剤に柑橘系の香りがついているから八朔に「清潔さ」を連想したのではないと思う。柑橘系の香りのなかには、初めから「清潔さ」が含まれてい…

甥っ子とおしゃべりするための『呪術廻戦』

「甥っ子を連れて呪術廻戦を観に行ってきて」と頼まれたので、一夜漬けでアニメ24話を視聴し、映画を観てきた。せっかくなので、ここに感想を記す。なお、原作は未読。私はどちらかというと流行に乗り遅れるタイプで、『鬼滅の刃』も観ていない。でも、ごく…

あれこれ

土日は実家で犬と過ごす。 とりあえずひっついてくる犬 散歩の気配を察知する犬地元のサッカーチームを応援しに県外へ出かけた両親の代わりに、散歩へ行き、エサをやり、一緒に眠る。翌朝、半透明の薄いビニール袋に包まれて届いた朝刊をめくる。多和田葉子…

働かないアリのリスクヘッジ

やはり、言論の揺り戻しがあった。いくつもの綻びから、さまざまな愚かさが見える。それを指摘しあう人々。なんだかとても疲れた。深く考えれば考えるほど、自らの内にも存在するであろう綻びを見つめざるを得ない。美しい祈りや願いだけを掲げていられたら…

芸術と政治、それぞれの反戦 / アーティストの反戦活動あるいは政治的活動への賛否について考えたこと

芸術と政治。音楽や文学などの芸術と、反戦やプロパガンダなどの政治は分けて考えたほうがいいのだろうか。私はもやもやしていた。分からない。反戦を掲げなければ、それがすなわち戦争に加担していることになるのだろうか。「善」と「悪」、「白」と「黒」…

真のかなしみ

久しぶりにテレビをつける。19時台のNHKニュース。侵攻を伝える映像を見ると、喉が詰まったような感じになる。誰かのスマートフォンで撮影された暴力、その痕跡。ホームビデオのように脈絡なくブレるその映像は、非情な暴力のすぐ近くにスマートフォンを握り…

私のなかの壊れた部分

「これは……39度!?」目盛りが渦巻き状の水銀体温計ではよく分からず、慌てて借りた電子体温計の結果は“36.8”。「!?」と思ったところで目が覚めた。§水銀体温計での測定には時間がかかる。Siriに「10分」と伝え、直前まで見ていた夢をぼんやり思い返してい…

お買いもの日記〈福岡編〉

福岡でのお買いものまとめ。都会には可愛いものや文化的なものがたくさんあるから、お金がいくらあっても足りないね……。これ以外にも、ふつうに本屋さんへ行っちゃって、いなかの本屋さんにはなかなか置いていない海外文学のハードカバーとか、岩波文庫とか…

見る。頷く。/ 向井秀徳アコースティック&エレクトリック 感想

金曜日。有給休暇を使い、福岡シティへ向井秀徳を観に行く。この日のために新調したキャリーバッグを転がしながら、私はある種の“ためらい”も引きずっていた。私は賭けをしていた。“一般で取れたら行く”。でもそれは賭けでもなんでもなくて、自己決定を自分…

ギザギザ

あれから11日経過した今朝のお花の様子。芍薬がいちばん先に散るだろうと思っていたのに、思いのほか長持ちしている。栄養剤との相性が良かったのかな。チューリップは日中に花びらを開き、夜になれば閉じるを繰り返す。今朝はもう花びらが透明になっていた…

犬を履く

A4一枚半ほど書き進めた文章の欠陥に気づき、その欠陥を整理するための文章をもう一枚書いたところで、これはもう小手先で考えても太刀打ちできないと判断、昼寝とする。ままならん。私は多数派であり少数派でもあるのだが、より「書きたい」と思うのは、少…

美しさを支える言葉

母にお花を買ってもらった。県のクラウドファンディングを利用してお花屋さんのお得なチケットを買ったものの、その使用期限が迫っているという。チューリップ。芍薬(たぶん)。ラナンキュラス。“ポンポン”シリーズの“ハーマイオニー”という品種らしい。く…

たとえば、

パジャマを買った。10年くらい前に買ったユニクロのパジャマを着て寝ると、なんだかすごく汗をかく、ということに10年越しで気がついたのだ。原因はおそらくフリースだろう。ズボンは綿100%だから、同じ綿100%の長袖シャツを買って、上だけ入れ替えること…

意味を持たない贈りもの

自分への贈りものは、意味を持たなければ持たないほどいい。よく「頑張った自分へのご褒美に」なんて言うけれど、私は私が頑張らなくとも褒美を与える。誕生日にクリスマス、入学、卒業、結婚、出産ーー。この世は意味のある贈りものにあふれている。意味の…